ジムで汗を流し、プロテインも飲んでいるのに、なぜか体の変化が感じられない。
そんな風に、鏡の前でため息をついていませんか?
その悩み、あなたの努力不足が原因ではないかもしれません。
この記事を読めば、自己流のトレーニングから卒業し、最短で理想の体へ近づく「自分だけの戦略」を手に入れられます。
「とりあえず腕立てと腹筋…」その筋トレ、効果半減してるかも?
「頑張り」と「成果」が比例しない根本的なワケ
がむしゃらにトレーニング時間を増やしても、成果が出るとは限りません。
なぜなら、筋肉はただ重りを持ち上げれば育つという、単純なものではないからです。
効果を出すには、筋肉が成長する「仕組み」に沿ったアプローチが不可欠なのです。
筋トレで本当に大事なのは「種目の数」より「メニューの戦略」だった!
たくさんの種目をこなすことよりも、はるかに重要なことがあります。
それが、あなたの目的とレベルに合わせた「筋トレの戦略」です。
正しい戦略さえあれば、少ない種目でも驚くほどの効果を引き出すことが可能になります。
効果を爆上げする!メニュー作りのための”3つの黄金ルール”
ルール①「どこに効かせる?」を明確に!筋肉と”対話”する意識の仕方
同じ腕立て伏せでも「大胸筋を狙う」のと「腕を太くする」のでは意識が違う!
トレーニングで最も大切なのは、「今、どこの筋肉を使っているか」を意識することです。
例えば腕立て伏せ一つでも、胸を意識すれば大胸筋に、腕の裏を意識すれば上腕三頭筋に効かせることができます。
この意識一つで、効果は何倍にも変わります。
“効かせたい場所”を触りながら動いてみよう
もし意識するのが難しいと感じるなら、鍛えたい筋肉を軽く触りながら動いてみてください。
筋肉が硬くなる「収縮」を感じることで、脳と筋肉のつながりが強くなります。
これが「マインドマッスルコネクション」という、上級者が自然と実践しているテクニックなのです。
効かせる感覚とは?
筋肉の「収縮」を感じることが効かせるということです。
筋肉は収縮すると、筋細胞が密に集まるから硬く感じ、その筋肉に負荷をかけているから疲労感も感じられます。
「狙った部位の硬さを感じる」そして、「硬くした部位に疲労感を作る」が「効かせる」ということです。
さらに効かせられるように速度も意識できるようにしましょう。
▶筋トレはゆっくりor早く?どっちが正解?収縮を意識する考え方
ルール②「”10回3セット”が正解とは限らない」回数と負荷のヒミツ
あなたの目的はどっち?「筋肉を大きくしたい」vs「持ち上げる重量を増やしたい」
「10回3セット」は、決して万能のルールではありません。
筋肉を大きくしたい「筋肥大」が目的なら8~12回が限界の重さ、持ち上げる力を強くしたい「筋力向上」が目的なら5回以下が限界の重さが目安になります。
あなたのゴールに合わせて、回数と負荷を最適化することが重要です。
筋肉が大きくなるのと持ち上げる力が強くなるのって一緒じゃないの?
確かに、筋肉が大きくなればなるほど持ち上がる力も強くなります。
しかし、いまの筋肉量で力を強くすること(力を込める技術の向上)が目的なのと、筋肉量自体を増やすことが目的は、違いますよね?
似ているからこそ、目的の違いをしっかり意識できるかできないかで、トレーニングの成果は大きく変わります。
もう迷わない!自分だけの最適な重さを見つける「RM法」入門
目的別に最適な負荷設定に役立つのが、「RM(アールエム)」という考え方です。
RMとは「最大反復回数」のことで、例えば「10RM」はその重さで10回繰り返すのが限界、という意味になります。
このRMを目安にすることで、その日のコンディションに合わせつつ、常に筋肉へ最適な刺激を与えられます。
【便利ツール】1RM自動計算ツールで自分の限界値を知ろう!
「自分にとっての限界の重さ(1RM)がわからない」という方もいるかもしれません。
そんな時は、特定の回数持ち上げられた重さから1RMを推定できる、便利な計算ツールもあります。
ぜひ活用して、あなたのトレーニング計画の参考にしてみてください。
ルール③:「毎日やってOK!」超回復をハックする”部位分割”の思考法
「やらないから伸び悩む」は真実。”積極的休息”で毎日成長する方法
「筋肉を休ませるために、トレーニングは毎日やらない方がいい」と聞いたことはありませんか?
しかし、それは「同じ部位を毎日鍛えるべきではない」という意味です。
鍛える部位を日によって分ける「部位分割法」を取り入れれば、体は毎日でも成長させられます。
ただし無理は禁物!体が発する「今日は休んで」のサインを見逃すな
もちろん、心身ともに疲れを感じている時は、勇気を持って休むことも大切です。
関節に痛みを感じたり、明らかに集中力が続かなかったりするのは、体が休息を求めているサインかもしれません。
そんな時は無理をせず、ストレッチや散歩などで軽く体を動かす日に切り替えましょう。
超回復のために動かないでいい。サボってもいい。ということはありません。
実践編!黄金ルールで組む「自分だけの最強メニュー」作成4ステップ
その前に!怪我ゼロで効果を高めるウォーミングアップのすすめ
本格的なトレーニングに入る前には、必ずウォーミングアップを行いましょう。
軽い有酸素運動で心拍数を上げ、体を温めることが大切です。
関節を大きく動かす動的ストレッチも取り入れると、怪我の予防とパフォーマンス向上につながります。
STEP1:まずはゴール設定!「どんな体になりたい?」を具体的にする
まずは、「夏までにTシャツが似合う体になりたい」のように、あなたのゴールを明確にしましょう。
目標が具体的であるほど、やるべきことが見えてきます。
理想の体を持つ人の写真を参考にしてみるのも良い方法です。
STEP2:自分のライフスタイルに合わせる!週2?週3?最適な頻度を決めよう
無理なく続けられる頻度を設定することが、成功への近道です。
あなたの生活リズムに合わせて、週に何回ジムに行けるかを考えましょう。
ここでは、代表的な2つのパターンを紹介します。
【週2トレーニー向け】おすすめ分割法:「上半身の日」と「下半身の日」
週に2回トレーニングを行うなら、全身を2つに分けるのが効率的です。
例えば、「月曜は上半身、木曜は下半身」のように、部位が重ならないようにメニューを組みましょう。
各部位をしっかりと休ませながら、全身をバランス良く鍛えられます。
【週3トレーニー向け】おすすめ分割法:「押す日」「引く日」「脚の日」
週3回なら、動きのパターンで分ける方法がおすすめです。
「押す(Push)日」は胸・肩・上腕三頭筋、「引く(Pull)日」は背中・上腕二頭筋、「脚(Legs)の日」は下半身全体を鍛えます。
この方法は、多くのボディビルダーも採用している王道の分割法です。
※もっと通える方は、この分割法で順番に取り組みましょう。
STEP3:基本のBIG3+αでOK!種目を選んでみよう
メニューの軸となるのは、「BIG3」と呼ばれる3つの種目です。
ベンチプレス(胸)、スクワット(脚)、デッドリフト(背中)は、多くの筋肉を同時に使うため非常に効果的です。
まずはこのBIG3を基本に、気になる部位やBIG3でカバーできない種目(アームカールや腹筋など)を1〜2つ追加すれば十分です。
各部位、2〜3種目あれば十分な理由
たくさんの種目をこなす必要はありません。
一つの部位に対して、2〜3種目を集中して行う方が、筋肉へ的確に刺激を届けられます。
大切なのは、一種目ごとの質を高めることです。
BIG3が最強な理由
BIG3が「最強のトレーニング」と呼ばれるのには、ちゃんとした理由があります。
- 全身を効率よく鍛えられるから
BIG3は1つの動きでたくさんの筋肉を同時に使える多関節種目です。
いわば「コスパ最強」のトレーニングなのです。 - 筋肉が成長しやすいから
重い重量を扱えるということは、それだけ筋肉に強い刺激を与えられるということ。
だから、成長への近道になるのです。 - 「動ける体」の土台になるから
マシンと違い、自分の力でバランスを取る必要があるため、体幹や細かい筋肉も自然と鍛えられます。
これが、スポーツや日常生活にも活きる「本物の強さ」につながります。
STEP4:記録をつけよう!成長を実感し、次のメニュー改善へ
トレーニングの記録は、あなたの成長を可視化する最高のツールです。
「どの種目を、どの重さで、何回できたか」をメモしておきましょう。
前回の記録を超えることが、次への強力なモチベーションになります。
推定1RMを更新することを目標に取り組むといいでしょう。
忘れないで!トレーニング後のクールダウンが翌日の自分を助ける
トレーニングの終わりには、クールダウンの時間を設けましょう。
30秒程度優しく伸ばす静的ストレッチで、使った筋肉を優しく伸ばしてあげます。
心身を落ち着かせることが、疲労回復を早め、翌日のコンディションを整えてくれるのです。
まとめ
- 意識の仕方
どこを鍛えているか明確に意識するだけで、トレーニング効果は劇的に変わります。 - 回数と負荷の最適化
あなたの目的に合わせて回数と負荷(RM)を見直すことが、成長への鍵を握っています。 - 部位分割の思考法
賢く部位を分ければ、毎日でもトレーニングでき、成長を加速させることが可能です。
これまでと同じ時間、同じ努力でも、戦略を変えるだけで体は応えてくれます。
この記事で紹介した「自分だけのメニュー作成術」は、そのための設計図です。
さあ、今日から頑張るだけのトレーニングを卒業しましょう。
そして、戦略的なトレーニングメニューで理想の自分を手に入れてください。
参考文献
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
- American College of Sports Medicine (ACSM). (2009). Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults. Medicine & Science in Sports & Exercise, 41(3), 687-708.
- Calatayud, J., et al. (2016). Importance of mind-muscle connection during progressive resistance training. European Journal of Applied Physiology, 116(3), 527-533.
- Paoli, A., et al. (2017). Resistance Training with Single vs. Multi-joint Exercises at Equal Total Load Volume: Effects on Body Composition, Cardiorespiratory Fitness, and Muscle Strength. Frontiers in Physiology, 8, 1105.
柔道整復師/姿勢改善パーソナルトレーナー
さいたま柔整専門学校卒業。
三郷市内グループ接骨院で院長を歴任。
現在、「姿勢改善Studio きずな日暮里」を運営中。