「姿勢は気になるけどどうすればいいか具体的な方法がわからない。」という方へ。
良い姿勢は「骨の軸」で支え、悪い姿勢は「筋肉」で支えるということをご存知でしたか?
この記事では、メリットからセルフチェック、トレーニングメニューまで網羅。
再現性の高いメソッドをわかりやすく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
良い姿勢とは?
骨の軸で支える良い姿勢の定義
良い姿勢は耳・肩峰・大転子・膝・外果が一直線上に揃った状態です。
骨の軸で支えられるため関節や筋肉に無理な負担がかかりません。
見た目も綺麗で疲れにくい身体を作ることができます。
「筋肉で支える」悪い姿勢との比較
悪い姿勢は骨の支持を十分に活かせず、筋肉で無理やり身体を支えた状態です。
骨の軸から一か所でも外れると全て悪い姿勢です。
筋肉疲労が蓄積しやすく、慢性的なコリや痛みを引き起こす原因になります。
特に肩や腰部に過剰な負担が集中し、可動域制限にもつながります。

良い姿勢のメリット
腰痛・肩こりなどの慢性痛の緩和
骨で支えることで筋肉への負担が減り、腰痛や肩こりが軽減します。
日常的な痛みの改善はQOL向上にも直結します。
長時間作業でも疲労を感じにくくなるのが大きなメリットです。
▶悪い姿勢が腰痛を引き起こす!姿勢を意識しても痛みが改善しない理由を解説
▶肩を上げるクセが3つの悪い姿勢をつくる?猫背・スマホ首・巻き肩のメカニズムを解説
ほぐしても元に戻る理由は姿勢のせい?
もみほぐしてもらっても元に戻ることが多いのは、元に戻る原因にアプローチできていないからです。
整体や接骨院では、「いま痛みが出ている原因」にアプローチすることができます。
しかし、元に戻る原因が姿勢のせいであれば姿勢を改善するアプローチが必要です。
▶症状や姿勢がすぐ戻る理由とは?使いやすい筋肉と使いにくい筋肉の違い
呼吸効率・内臓機能の向上
胸郭が拡がりやすくなり、深い呼吸が自然に行えます。
横隔膜や骨盤底筋にも適切な圧がかかり、内臓の働きが向上します。
血流やリンパの循環も促進され、代謝アップにも寄与します。
運動パフォーマンスへの好影響
力の伝達効率が高まり、各種トレーニングの効果が最大化します。
姿勢維持に必要な筋持久力が鍛えられ、フォームの安定性も向上します。
ケガのリスク軽減や回復力向上にもつながるのがポイントです。
見た目の印象が変わる
上半身のシルエットがシャープに
バストアップ
良い姿勢で胸郭が自然と上がり、バストラインに立体感が出ます。
小顔効果
肩の位置が下がって顎ラインが際立つことで、顔とのコントラストが強まり小顔に見えます。
二の腕すっきり
横から見たとき、肩と腕の間に余白ができるので二の腕が細く見えます。
ウエスト&ヒップのメリハリ
くびれが際立つ
肋骨周りが締まり、ウエストラインがくびれることでメリハリが生まれます。
ヒップアップ
お尻が上がり適度な張りが生まれることで、ヒップラインが際立ちます。
脚長&細見え
お尻が上がることで、脚が長く細く見えます。
下半身のアライメント改善
O脚・X脚改善
軸で立つ姿勢により、内股・外股のクセが緩和し、O脚やX脚が目立ちにくくなります。
▶O脚とは?見た目だけじゃない!原因と将来リスク、予防・改善セルフケアを徹底解説
外反母趾予防
前荷重が減り、足の親指側にかかる負担が軽減され、外反母趾を予防します。
▶外反母趾ってどんな症状?放置するとどうなるの?あなたの足を守るための外反母趾まるわかりガイド
良い姿勢をつくる3つの要素
柔軟性の向上
良い姿勢をつくるには関節可動域を広げることが不可欠です。
硬さが残ると骨の軸を使えず、姿勢保持に無理が生じます。
定期的なストレッチでバランスよく柔軟性を改善しましょう。
主なストレッチ
- 首上部のストレッチ
首上部をしっかり伸ばせると耳と肩を揃えやすくなります。 - 胸椎のストレッチ
胸椎(背中の高さの背骨)の柔軟性があるほど良い姿勢を楽に作れます。 - 股関節のストレッチ
股関節が硬い人が足を伸ばすとそり腰になってしまいます。
身体の使い方を覚える(意識とフィードバック)
良い姿勢は「使いづらい筋肉」を使う技術です。
最初は意識的に動かし、触診やセルフチェックで感覚を掴みます。
無意識でも使えるようになるまで、繰り返し練習する習慣を作りましょう。
良い姿勢になれる身体の使い方
キャット&カウ(背中の使い方)
四つ這いで息を吐きながら背中を丸めます。
吸うときは胸を開いて背を反らせる動きを繰り返しましょう。
とくにカウのポーズで背部の筋肉がしっかり使えます。
キャット&カウ応用(腹筋の使い方)
カウの反りをキープしたまま骨盤を前後に揺らします。
この動きで腹横筋と骨盤底筋の連動感覚を養えます。
丸めるときは腹筋が働いている感覚をしっかり確認しましょう。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
▶キャット&カウで良い姿勢を作る?背骨と腹筋の連動トレーニング
かかと重心バランス
足の指を軽く握り、爪先で地面を触るイメージで立ちます。
次に小指側を少し浮かせ、親指の爪と踵の2点で支えましょう。
この立ち方が骨の軸を使った重心となります。
▶かかと重心とは?正しい立ち方で姿勢と疲れにくさを整える方法
練習の継続と習慣化
姿勢改善のトレーニングメニュー
良い姿勢に「なれる」と「過ごす」は別物です。
良い姿勢の感覚を掴めたらそれを維持するために、良い姿勢のままでフォームをつくり、筋持久力を鍛えるトレーニングを習慣化しましょう。
プランク

プランクは体幹全体の安定性を強化するトレーニングです。
肘とつま先で体重を支え、頭からかかとまで一直線を維持。
下記の呼吸トレーニングを取り入れ、30秒〜1分を目安にキープしましょう。
ドローイン+ブレーシング
息を吐きながら腹圧を感じ、腹横筋を引き込むドローイン。
そのまま息を吸いつつブレーシングで体幹を固めます。
動作前後に3セットずつ行い、再現性の高い姿勢安定を習得。
▶ドローインとブレーシングはどう違う?腹筋の使い分けで姿勢も変わる!
日常動作への組み込み方
デスクワークでPCを触るときは肩が上がらないように動かしましょう。
座るときは骨盤を立てて座りましょう。
駅や信号で止まって立つときはかかと重心を意識しましょう。
姿勢のセルフチェック
姿勢のセルフチェックは自分の歪みを把握する第一歩です。
日常の姿勢のクセや悪い癖を客観的に確認できることがポイントです。
改善すべき部分が明確になり、具体的な対策を立てやすくなります。
壁を使ったチェックは有効?
壁チェックは簡易的な目安として有効ですが、骨の軸評価には不十分です。
お尻の膨らみによって骨の軸が基本的に揃いませんし、壁に寄りかかっても骨盤が自由に動いてしまうため、評価の基準が曖昧になりがちです。
そのため、正確に測るのであれば、写真や鏡を使ったチェック方法がおすすめです。
壁を使ったチェック方法は悪い姿勢のタイプを区別するために使いましょう。
▶あなたはどのタイプ?悪い姿勢の種類を徹底解説!
写真を使った姿勢チェック方法
大転子と肩峰に印をつけて正面・側面写真を撮影します。
耳・肩・股関節・膝・くるぶしのラインが真っ直ぐかどうか、視覚的に確認することでズレを把握しましょう。
ズレの程度に応じた改善アプローチを具体的に立てることができます。
大転子とは?その位置と触り方
大転子は、骨盤の横にある出っ張った骨のことで、その内側に股関節(大腿骨の付け根)があります。
骨盤の上部を両方の手のひらで触り、ふとももの外側へ下になでおろすとわかりやすいです。
肩峰とは?その位置と触り方
肩峰は、肩の最も外側にある骨の出っ張りで、肩甲骨の一部です。
手のひら全体で肩の外側をなでるとわかりやすいです。
鏡を使った姿勢チェック方法
鏡で確認する際は、目尻と耳がだいたい同じ位置になるので、それを目安にします。
目尻・肩峰・大転子・膝・くるぶしが一直線になっているか確認しましょう。
ただし、より正確な姿勢の評価には、客観的に確認できる写真でのチェックのほうがおすすめです。
立ち姿勢・座り姿勢のポイント
立位はかかと重心で骨の軸で立つ感覚を意識します。
座位は骨盤を立て、座骨に体重を乗せて安定させましょう。
座り始め、立ち始めは正しいポジションを意識してリセットしましょう。
スマホやデスクワーク時の姿勢
モニターは目線より少し下に設定し、顎を引いて猫背予防。
スマホは肘を支点に構え、腕の疲労を軽減しながら画面を覗き込む。
60分ごとに軽いストレッチや立ち上がり動作を取り入れると◎。
まとめ
- 骨格で支える姿勢は、筋肉への負担を軽減し、慢性痛の予防に効果的です
不良姿勢は筋肉に過剰な負担をかけ、腰痛や肩こりの原因となります。骨格を正しく使うことで、これらの負担を軽減できます。
参考文献:筋・骨格系疾患 – 労災疾病等医学研究普及サイト - 良好な姿勢は呼吸機能や内臓機能の向上にも寄与します
姿勢の改善により胸郭の可動性が増し、呼吸機能や内臓機能の向上が期待されます。
参考文献:「姿勢改善」呼吸筋活動による効果研究 – 早稲田大学 - 正しい姿勢は運動パフォーマンスの向上にもつながります
適切な姿勢を保つことで、筋肉の過剰な緊張を防ぎ、運動パフォーマンスの向上が期待されます。
参考文献:身体運動のパフォーマンス向上を促す最適な体幹姿勢の探求:脱力と姿勢の関係 – KAKEN
良い姿勢は、健康やパフォーマンスの基盤となります。
日常生活の中で意識的に姿勢を整えることで、身体の不調を予防し、快適な生活を送ることができます。
まずは、日々の立ち方や座り方を見直し、骨格を意識した姿勢を心がけてみましょう。
小さな意識の積み重ねが、大きな変化を生み出します。
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柔道整復師/姿勢改善パーソナルトレーナー
さいたま柔整専門学校卒業。
三郷市内グループ接骨院で院長を歴任。
現在、「姿勢改善Studio きずな日暮里」を運営中。