お風呂上がりのストレッチ、頑張っているのに朝には体が元通り…なんて感じていませんか?
そのお悩み、実は体の素直な反応かもしれません。
この記事では、なぜあなたの頑張りがリセットされてしまうのか、その理由と本当の意味でしなやかな体を手に入れるための新習慣をご紹介します。
なぜ?風呂上がりのストレッチが「ゴールデンタイム」と言われる理由

そもそも、お風呂上がりのストレッチが推奨されるのには、ちゃんとした理由があります。
理由1:温まった体は、筋肉や関節が伸びやすい
入浴で体が芯から温まると、筋肉や関節を包む組織がふんわりと柔らかくなります。
そのため、普段よりもスムーズに、そして安全に体を伸ばすことができるのです。
理由2:心と体をリラックスさせる「副交感神経」が優位になる
お風呂のリラックス効果は、自律神経にも働きかけます。
心と体を「お休みモード」にする副交感神経が優位になることで、筋肉の余計な緊張が抜け、ストレッチの効果をさらに高めてくれるのです。
理由3:血行が促進され、疲労物質が流れやすくなる
体が温まって血の巡りが良くなると、筋肉に溜まった疲労の原因となる物質が流れやすくなります。
ストレッチで筋肉を動かすことで、その働きを後押しし、翌日のスッキリ感につながるでしょう。
ちょっと待って!その効果、朝にはリセットされていませんか?

ゴールデンタイムのストレッチは、確かに気持ちが良いものですよね。
しかし、その効果が朝まで続かないと感じるなら、少し視点を変えてみる必要があるかもしれません。
ストレッチをしても体が硬く戻ってしまう本当の理由
私たちの体には、「大きく使えば柔らかく、小さくしか使わなければ硬くなる」というシンプルな性質があります。
どんなに丁寧にお風呂上がりに体を伸ばしても、睡眠中や日中のデスクワークなどで体を「小さく」使う時間が長ければ、体は元の硬さに戻ろうとしてしまうのです。
「夜だけ」から「こまめ」なストレッチへ。発想の転換が大切
大切なのは、一度のストレッチで完璧を目指すことではありません。
体が硬くなってしまう時間を作らないように、日中もこまめに体を動かす習慣こそが、しなやかな体を育てる鍵となります。
目的で使い分ける!専門家が教える効果最大化ストレッチ
「こまめに」と言っても、毎回時間をかける必要はありません。
日中と夜でストレッチの種類と目的を使い分けるのが、賢い方法です。
【朝・日中に】動的ストレッチで活動のスイッチをオン
朝や日中には、体を止めずに動かしながらほぐす「動的ストレッチ」がおすすめです。
血行を促進し、体を活動モードに切り替えることで、一日を快適にスタートできます。
時間がかからないため、「こまめ」なストレッチをするのにとても適しています。
【夜・風呂上がりに】静的ストレッチで心と体をクールダウン
一日の終わりには、筋肉をじっくりと伸ばす「静的ストレッチ」で心と体をいたわりましょう。
副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めることで、筋肉にかかった疲れも和らげることができ、質の良い睡眠にもつながりやすくなります。
動的ストレッチと静的ストレッチの使い分け方
目的 2389_0d5cd1-ba> |
方法 2389_8b17a8-76> |
特徴 2389_5257c4-6e> |
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柔軟性アップ(動的) 2389_d03db1-23> |
少し強めに感じる強度で5回~10回伸ばす 2389_933ceb-fa> |
ほとんど時間がかからない 2389_32a14e-46> |
柔軟性+リラックス(静的) 2389_d61935-d0> |
心地よい範囲で15秒~30秒じっくりキープ 2389_720743-f7> |
時間はかかるが、リラックス効果もある 2389_42bc2b-f8> |
どちらの方法でも、気になる部位を3セットずつ行うのがおすすめです。
目的・部位別のストレッチ
使い分け方を覚えたら、気になるお悩みや部位をターゲットしたストレッチを実践してみましょう。
以下の記事にまとめてありますので、ぜひご覧ください。
首・胸・肩
▶「枕なしで寝るとストレートネックに良い」は本当?胸椎との関係
▶大胸筋の上部・中部・下部の違いとは?猫背・巻き肩への影響も?
▶腕を上げると肩が痛い!その原因は?インピンジメントと姿勢の関係
脚・股関節
▶ハムストリングスとは?姿勢や腰痛予防のためのストレッチのコツ
▶その腰痛、原因は股関節の硬さかも?ストレッチの効果を最大化する骨盤の使い方
まとめ
- 風呂上がりは絶好のストレッチタイム
体が温まりリラックスしているため、筋肉が伸びやすく、疲労回復にも効果的です。 - 効果の持続には「頻度」が鍵
夜だけのケアでは、日中の体の使い方によって硬さが戻ってしまいがちです。 - 「静」と「動」の使い分けでしなやかな体に
夜は静的ストレッチで柔軟性とリラックスを、日中は動的ストレッチで体をこまめにリセットしましょう。
お風呂上がりのストレッチは、一日頑張った自分への素晴らしいご褒美です。
しかし、その効果を最大限に活かすためには、日中の過ごし方を見直す視点も大切になります。
ぜひ、夜の「じっくりケア」と日中の「こまめなリセット」を組み合わせてみてください。
そうすることで、硬くなりにくい、本当の意味でしなやかな体を育てていくことができるはずです。
柔道整復師/姿勢改善パーソナルトレーナー
さいたま柔整専門学校卒業。
三郷市内グループ接骨院で院長を歴任。
現在、「姿勢改善Studio きずな日暮里」を運営中。