プランクしても意味ない?本当の目的「腰椎固定力」とは

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「プランクを頑張っているのに、ぽっこりお腹が変わらない…」

「時間を延ばしても、なんだか腰が痛くなるだけで、本当に意味があるのか不安…」

そんな風に感じている方も、いらっしゃるかもしれませんね。

でも、ご安心ください。

この記事を読めば、なぜあなたのプランクの効果が出なかったのか、その理由がきっと見つかります。

「プランクは意味ないかも…」その原因は”目的”の誤解です

結論:プランクは「腰を板のように固める」能力を鍛えるトレーニング

「プランク(Plank)」という言葉が、英語で「板」を意味することをご存知でしたか?

実は、プランクの本当の目的は腹筋を6つに割ることではなく、その名の通り「腰を板のようにまっすぐ固める」能力を養うことにあるのです。

まずは、この目的を少しだけ、頭の片隅に置いてみてください。

「意味ない」と言われる理由と、本当の価値

「プランクは消費カロリーが低いから意味ない」という話を聞いたことがあるかもしれません。

確かに、プランクを1分間行っても消費できるカロリーは、体重などにもよりますが3〜4kcal程度です。

ダイエット目的で体重の減らすことが一番の目的なら、ランニングやなわとびを選択するべきです。

しかし、プランクの本当の価値は、身体の「使い方」そのものの土台を作り、トレーニング全体の質を高める点にあります。

プランクの神髄は「腰椎固定力」にあり!

なぜ腰椎を「板のように」固定する必要があるのか?

背骨の名前と特徴のイラスト

多くの方が、プランク中に無意識に腰を反らせたり、逆に丸めたりしてしまっています。

この腰の部分にある背骨(腰椎)がグラグラと動いてしまうと、本来しなやかに動くべき股関節や肩甲骨まわり(胸椎)の動きをサボらせてしまいます。

腰椎を「板」のように安定させることが、身体を効率よく、そして美しく動かすための最初の重要な一歩になります。

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「お腹を凹ませる」は間違い?正しい「引き締め方」で腰椎をロックする

「お腹を凹ませて」と意識すると、かえってお腹の力がフッと抜けてしまい、腰が反りやすくなることがあります。

試しに、息を吐ききってお腹をペタンコに凹ませてみてください。

その状態から息を吸ってお腹を膨らませようとすると、凹ませた状態は維持できないはずです。

一方で、正しい「引き締め」とは、咳をする時のように「グッ」とお腹に力を入れた状態です。

この状態なら、息を吸ってお腹を膨らませても、お腹周りの固さは維持できます。

これこそが、腹圧が高まり腰椎を安全にロックできている証拠なのです。

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腰椎を制する者は、すべての筋トレを制す

スクワットをすると腰が痛くなる、お尻ではなく前ももばかり疲れてしまう。

こうした悩みの多くは、動作中に腰椎が不安定になっていることが原因かもしれません。

プランクで養った「腰椎固定力」は、あらゆるトレーニングの質を劇的に向上させ、怪我の予防にも繋がる、まさに”縁の下の力持ち”なのです。

【3ステップで習得】効果を最大化する腰椎固定プランク講座

ハイプランクで「腰椎をロックする感覚」を掴む

基本のプランク(肘を床につけるプランク)は、床とのスペースが狭いため、感覚を身に着けることが難しいかもしれません。

まずは、手のひらで床をつく、少し高さのある「ハイプランク」で練習しましょう。

これだけは守れ!腰椎固定のための3つのルール

まずは、正しい姿勢のルールです。

これらは全て、腰椎がグラグラ動いてしまっている危険なサインと覚えておきましょう。

  • お腹に力が入っているなら腰は反れない。反れたら力が抜けている。
  • お尻は常に下げる意識。上げることはない。
  • お尻から頭までが、きれいな一枚の板になるように。ゴールデンラインを意識しよう

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ステップ1:お尻を下げたら身体が反ることを確認する

  1. 手のひらとつま先を床(またはベンチ)につけて腕立て伏せのような姿勢になる。
  2. 肘を伸ばしたままお尻をゆっくり前に下げ、「腰が反る感覚」を味わう。
  3. 反り腰の最も大きくなる位置を3回繰り返し、動きのポイントを覚える。

このお尻の下げ方を覚えておきましょう。

※わかりやすいようにベンチ台を使っています。

負荷も少し楽になるため、最初は同じようにイスなどに手をついてやるといいと思います。

ステップ2:「腹筋を引き締める」を習得する

  1. お尻を肩とくるぶしより上にあげた状態で腰を反れるだけ反らす。
  2. 胸を突き出すイメージで胸がおへそに向かわないように維持する。
  3. 反対におへそが胸に向かうように骨盤を後ろに回す。

これで「お腹に力を込める」が完成です。

お腹を使っている感じがしない!という方は、このまま息を5秒吐くとお腹が締まる感覚を感じられると思います。

骨盤をうまく動かせない方は、お尻を締める意識で動かすように試してみてください。

本来、骨盤を後ろに回す動きは、背中が丸まるはずですが、胸を突き出し胸がおへそに向かって下がらなければ、途中で止まるはずです。

ステップ3:ハイプランクを完成させる

  • お腹に力を込めた(ステップ2の)まま、反り腰になる動き(ステップ1)でお尻を下げる。
  • お腹の力が抜けていなければ、一定以上骨盤が落ちず反り腰になれない状態が維持される。

お尻を下げようとすればするほど腹筋に負荷を感じられるはずです。

反り腰になろうとしても「腹筋のせいで反り腰になれない」という状態を作りましょう。

腹筋に負荷を感じていれば、しっかり効かせられているということです!

※プランクの応用編はこちら
プランクとは?正しい姿勢を体で感じるためのトレーニング!

まとめ

  • プランクの本当の目的は、腹筋を割ることではなく「腰椎を固定する力」を養うこと。
    身体の土台となる安定性を手に入れるための、とても大切なトレーニングです。
  • 正しいプランクは「お腹を凹ませる」のではなく「引き締めて固める」意識が重要。
    腹圧を高めて腰を内側からロックする感覚を掴むことが、効果を実感するための近道になります。
  • 腰椎を固定できるようになると、他のトレーニングの質も向上し、怪我の予防にも繋がる。
    プランクは、あらゆる動作のパフォーマンスを高めてくれる基礎トレーニングと言えるでしょう。

「プランクは意味ない」のではなく、その本当の素晴らしい価値を知らなかっただけなのかもしれません。

今日からは、ただ時間を計るのではなく、ご自身の身体が「美しい一枚の板」になっているか、その感覚を大切にしてみてください。

まずはご紹介したステップで正しい感覚を掴み、15秒のキープから始めてみましょう。