自宅でトレーニングを始めようと思ったものの、何から手をつければいいか分からなくなっていませんか?
ダンベルを買ってみたはいいけれど、結局自己流で、本当に効果があるのか不安に感じている方もいるかもしれません。
この記事では、柔道整復師の資格を持つパーソナルトレーナーが、自宅トレーニングの効果を最大化するダンベルの選び方から、安全で効果的な全身トレーニングメニューまで、徹底的に解説します。
もうジムに通わなくても、あなたの身体は自宅で変えられます。
※この記事はプロモーションを含みます。
【本音】ジムと自宅トレ、どっちがいい?専門家が本気で答えます
結論:トレーニング環境を整えられるなら「ジム」が最も効果的
実は、もし環境が許すのであれば、専門家としては「ジム」に通うことを最もおすすめしています。
なぜなら、私たちの脳は「自宅=休む場所」「ジム=頑張る場所」と認識しているため、自宅ではどうしても集中力やモチベーションを維持するのが難しいからです。
トレーニングを続ける上で、「環境」はあなたが思っている以上に重要な要素なのです。
でも、時間や費用の問題で「自宅」から始めたいあなたへ
とはいえ、誰もがジムに通えるわけではないのも事実です。
大切なのは、完璧な環境が整うのを待つことではなく「まずは、今日から始めてみること」に他なりません。
この記事は、そんなあなたの「始めたい」という気持ちを全力でサポートするための、自宅トレーニングの最良のガイドです。
自宅トレーニングの相棒!あなたに合ったダンベルの選び方
パターン1:まずは試したい初心者向け『プレート付け替え式』
「続くかどうかわからないし、まずは手頃なものから試したい」という方には、このタイプがぴったりです。
数千円から購入できるので、トレーニングを始める第一歩としてのハードルが非常に低いのが最大のメリットです。
ただし、もし本格的にジムに通い始めたら、使わなくなってしまう可能性も頭に入れておくと良いでしょう。
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パターン2:自宅トレを極めたい本格派向け『ダイヤル式可変式』
「自宅でのトレーニングを本格的に、長く続けていきたい」という方には、こちらのダイヤル式がおすすめです。
ワンタッチで重量を変更できる手軽さと、高重量まで扱えるため、トレーニングのレベルが上がっても長く使い続けられます。
ただし、本格的にトレーニングをするなら、結局ベンチなども欲しくなり、どちらのタイプを選んでもある程度のスペースは必要になる、という点は覚えておきましょう。
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自宅トレのメリットと、知っておくべき注意点
メリット①:マシンより自由。眠っている筋肉まで総動員できる
ダンベルの最大のメリットは、その自由な可動域にあります。
決まった軌道でしか動かせないマシンとは違い、ダンベルは身体のバランスを取りながら動作を行うため、体幹をはじめとした「眠っている筋肉」まで効率よく刺激することができるのです。
注意点:自由なぶん、フォーム習得は一番難しい
しかし、その「自由さ」は、裏を返せば「フォームの習得が最も難しい」ということでもあります。
間違ったフォームは効果が出ないだけでなく、怪我に直結する危険性もはらんでいます。
だからこそ、この記事で紹介する「正しいフォーム」を、まずはじっくりと身につけることが何よりも重要になります。
メリット②:実は経済的。長期的に見ればジムよりお得
初期投資はかかりますが、一度購入してしまえば、月会費はかかりません。
一般的な24時間フィットネスジムやパーソナルトレーニングジムの数ヶ月分の会費で、自宅にトレーニング環境を整えられると考えれば、長期的に見て非常に経済的と言えるでしょう。
【最重要】全種目の効果が変わる!「背中を効かせる」感覚をマスターしよう
これから紹介する多くのトレーニングで、土台となるのが「肩を下げたまま固定する」という意識です。
まず、両肩をぐっと下に下げてください。
その「肩を下げた状態」を絶対に崩さずに、背中の中心に向かって肩甲骨を「寄せる」ように力を込めてみましょう。
おそらく、ほとんど、あるいは全く肩甲骨は寄らないはずです。
もし少しでも寄せることができたら、それは無意識に肩が上がってしまっている証拠になります。
この「肩を下げて固定したまま、寄せようと力を込める」ことで生まれる、脇の後ろあたりの強い収縮感こそが、「背中が効いている」正しい感覚なのです。
この状態を維持することで、肩関節や股関節が正しく動かされ、トレーニング効果を飛躍的に高めることができます。
【部位別】自宅でできるダンベル全身トレーニングメニュー
① 胸:厚い胸板と美しいデコルテを作る
胸をメインに鍛えるこの種目では、土台を安定させるために「背中を効かせる」意識が非常に重要になります。
肩を痛めないよう、肩甲骨をしっかり寄せた状態で行いましょう。
ダンベルプレス

主に大胸筋(胸の筋肉)を鍛えるための基本的なトレーニング種目です。
その他に、三角筋(肩)や上腕三頭筋(二の腕)も同時に強化できます。
基本的なやり方
- ベンチに仰向けになり、両手にダンベルを持ちます。足は床にしっかりとつけます。
- ダンベルを胸の横で、手のひらが足の方向を向くように構えます。
- 息を吐きながら、肘が伸びきる少し手前まで、ダンベルを真上に持ち上げます。このとき、ダンベル同士がぶつからないように注意します。
- 息を吸いながら、ゆっくりと元の位置(胸の横)までダンベルを下ろします。
- この動作を繰り返します。
ダンベルフライ

大胸筋(胸の筋肉)をストレッチさせながら鍛える種目です。プレスとは違い、胸の輪郭や中央のラインをはっきりさせ、美しい形を作るのに効果的です。
基本的なやり方
- ベンチに仰向けになり、ダンベルを胸の上で、手のひらが向き合うように持ちます。
- 肘を少し曲げた状態を保ったまま、腕で大きな円を描くようにゆっくりとダンベルを横に下ろしていきます。
- 胸の筋肉が十分に伸びるのを感じたら、同じ軌道で、胸の筋肉を使ってダンベルを元の位置に戻します。
② 背中:逆三角形の背中と良い姿勢の土台
これらの種目では「絶対に背中に効かせながら」行うことが、効果を出すための絶対条件です。
特にデッドリフトでは、背中が丸まると腰を痛める原因になるため、常にお尻から動く「股関節主導」の動きを意識してください。
ワンハンドローイング

主に広背筋(背中の側面)や僧帽筋(背中の中央)など、背中の筋肉を鍛えるための基本的なトレーニング種目です。
基本的なやり方
- ベンチに片方の手と膝を乗せ、体を安定させます。もう片方の足は床につけ、背筋は床と平行になるようにまっすぐに保ちます。
- 空いている方の手でダンベルを持ち、腕を自然に真下に下ろします。これがスタートポジションです。
- 息を吐きながら、脇を締め、肩甲骨を背骨に引き寄せる意識で肘を高く引き上げます。ダンベルがお腹の横に来るあたりまで引きましょう。
- 背中の筋肉が最も収縮した状態で一瞬静止し、息を吸いながらゆっくりと元の位置にダンベルを下ろします。
- この動作を繰り返し、終わったら反対側も同様に行います。
ダンベルデッドリフト

主に大殿筋(お尻)やハムストリングス(太ももの裏)、脊柱起立筋(背中)など、体の背面全体を鍛えるためのトレーニング種目です。
全身の連動性を高め、筋力アップに非常に効果があります。
基本的なやり方
- 両足を肩幅程度に開いて立ち、ダンベルを体の側面に置きます。
- 背筋をまっすぐに保ったまま、お尻を後ろに突き出すように股関節から上半身を前に倒し、ダンベルをしっかりと握ります。
- 息を吐きながら、胸を張り、足裏全体で地面を押すようなイメージでゆっくりと立ち上がります。腕の力ではなく、お尻と太ももの裏の力で体を起こすことを意識します。
- 直立の姿勢になったら、息を吸いながら、再びお尻を後ろに引くようにして、ゆっくりと元の位置にダンベルを下ろしていきます。
- この動作を繰り返します。動作中は常に背中が丸まらないように注意してください。
③ 肩:たくましい肩幅とシャープなライン
肩のトレーニングこそ「背中を効かせる」意識が、狙った筋肉に効かせるための鍵となります。
この意識がないと、肩ではなく首や僧帽筋にばかり力が入ってしまうので注意しましょう。
ショルダープレス

主に三角筋(肩の筋肉)を鍛えるための基本的なトレーニング種目です。
その他に、上腕三頭筋(二の腕)も同時に強化できます。肩幅を広くし、丸みのある立体的な肩を作るのに効果的です。
基本的なやり方
- ベンチに深く座り、背もたれに背中をつけます。足は床にしっかりとつけて体を安定させます。
- 手のひらが正面を向くようにダンベルを握り、肩の横、耳の高さあたりに持ち上げます。これがスタートポジションです。
- 息を吐きながら、ダンベルを頭上へ、やや弧を描くように持ち上げます。
- 肘が伸びきる直前まで持ち上げたら、息を吸いながら、ゆっくりとコントロールして元の位置までダンベルを下ろします。
- この動作を繰り返します。動作中に腰が反ったり、背中が丸まったりしないように注意してください。
サイドレイズ

主に三角筋の中部(肩の側面)を鍛え、肩幅を広く見せるためのトレーニング種目です。肩に丸みのある立体感を作るのに非常に効果的です。
基本的なやり方
- 足を肩幅程度に開いて立ち、背筋を伸ばします。両手にダンベルを持ち、体の横に構えます。
- 肘をわずかに曲げた状態を保ちます。これがスタートポジションです。
- 息を吐きながら、ダンベルが弧を描くように、真横にゆっくりと持ち上げていきます。腕が地面と平行になる高さまで上げましょう。
- 肩の筋肉が最も収縮するのを感じたら、息を吸いながら、ゆっくりとコントロールして元の位置にダンベルを下ろします。
- この動作を繰り返します。体を揺らしたり、反動を使ったりせず、肩の力だけで行うことを意識してください。
④ 腕:力強い力こぶと引き締まった二の腕
腕の筋肉をメインに狙う場合にも、「背中を効かせる」意識は必要です。
これも意識をしていないと、首や僧帽筋のトレーニングになってしまうので注意してください。
アームカール

主に上腕二頭筋(力こぶ)を鍛えるための基本的なトレーニング種目です。
たくましく太い腕を作るための代表的なエクササイズです。
基本的なやり方
- 足を肩幅程度に開き、背筋を伸ばして立ちます。手のひらが正面を向くようにダンベルを握り、太ももの横に構えます。
- 脇を締め、肘の位置を体側に固定します。これがスタートポジションです。
- 息を吐きながら、肘の位置を動かさないように意識し、力こぶを作るようにダンベルを肩の高さまで巻き上げます。
- 上腕二頭筋が最も収縮した状態で一瞬静止し、息を吸いながら、ゆっくりとコントロールして元の位置にダンベルを下ろします。
- この動作を繰り返します。動作中は体を揺らしたり、反動を使ったりしないように注意してください。
キックバック

主に上腕三頭筋(二の腕)を鍛えるためのトレーニング種目です。たるみがちな二の腕を引き締め、腕の裏側のラインをはっきりとさせるのに効果的です。
基本的なやり方
- ベンチに片方の手と膝を乗せ、背筋を床と平行に保ちます。(ワンハンドローイングと同様の姿勢です 写真のようにデッドリフトと同様の姿勢をとることで両腕を同時に鍛えることができます)
- 空いている方の手でダンベルを持ち、肘を90度に曲げ、上腕(肩から肘まで)が背中と平行になるように持ち上げます。これがスタートポジションです。
- 息を吐きながら、肘の位置を固定したまま、腕が完全に伸びきるまでダンベルを後方へ持ち上げます。
- 二の腕の筋肉が最も収縮するのを感じながら一瞬静止し、息を吸いながらゆっくりと元の位置(肘が90度の状態)に戻します。
- この動作を繰り返し、終わったら反対側も同様に行います。動作中は常に上腕が下がらないように意識してください。
⑤ 脚:全身を支える最も重要な土台
これらの種目は、目的によって意識を変えるのがポイントです。
お尻など股関節周りの動きを重視するなら「背中を効かせて」体幹を安定させ、太ももなど脚の筋肉をメインに鍛えたい場合は、意識しなくても構いません。
ゴブレットスクワット

主に大腿四頭筋(太ももの前)や大殿筋(お尻)など、下半身全体を鍛えるトレーニング種目です。体の前で重りを持つことで、背筋を伸ばした正しいスクワットフォームを習得しやすいという利点もあります。
基本的なやり方
- 足を肩幅より少し広めに開き、つま先はやや外側に向けます。
- ダンベルの頭を両手で杯(ゴブレット)を持つように胸の前で構えます。脇を締め、ダンベルを体に近づけて安定させます。
- 息を吸いながら、背筋をまっすぐに保ったまま、椅子に座るようにお尻を後ろへ引きながらゆっくりと腰を落としていきます。
- 太ももが床と平行になるか、それより深くしゃがみ込みます。このとき、膝がつま先より前に出すぎたり、内側に入ったりしないように注意します。
- 息を吐きながら、かかとで地面を強く押し、お尻の筋肉を意識しながら元の姿勢に戻ります。これを繰り返します。
ランジ

主にお尻の大殿筋や太ももの大腿四頭筋を鍛える、下半身の代表的なトレーニング種目です。左右の脚をそれぞれ鍛えるため、バランス能力の向上や、左右の筋力差の改善にも効果があります。
基本的なやり方
- 両手にダンベルを持ち、背筋を伸ばして直立します。足は腰幅程度に開いておきます。
- 片方の足を大きく一歩前に踏み出します。
- 息を吸いながら、上半身の直立を保ったまま、両方の膝が90度になるまでゆっくりと腰を真下に落とします。前の膝がつま先より前に出ないように注意し、後ろの膝は床につく直前で止めます。
- 息を吐きながら、前に踏み出した足のかかとで地面を強く押し、元の直立姿勢に戻ります。
- 次は反対の足で同様に行います。この動作を左右交互に繰り返します。
⑥ 腹筋:割れた腹筋と安定した体幹
この種目で腰を痛めないためには、体幹を安定させることが不可欠です。
腰を捻りすぎないように、「背中を効かせて」お腹の力で動作を行いましょう。
ダンベルツイスト

主に腹斜筋(脇腹の筋肉)を鍛え、引き締まったくびれを作るのに効果的なトレーニング種目です。体幹の回旋力を高め、腹筋全体の強化にも繋がります。
基本的なやり方
- 床に座り、膝を曲げます。かかとは床につけるか、少し浮かせてバランスを取ります。(浮かせる方が高強度です)
- ダンベルを一つ、両手で胸の前に持ち、背筋を伸ばしたまま上半身を少し後ろに倒します。腹筋に力が入っているのを感じる角度で止めます。
- 息を吐きながら、おへそを中心にして、上半身を片側にゆっくりとひねります。腕だけでなく、胴体からひねることを意識します。
- 息を吸いながら中央に戻り、今度は息を吐きながら反対側にひねります。
- この動作をリズミカルに繰り返します。動作中は背中が丸まらないように注意してください。
1週間のトレーニングプログラム例
パターンA:週2回コース(上半身の日/下半身の日)
忙しいけれど、着実に成果を出したい方におすすめの基本的な分割法です。
- 1日目:上半身の日(胸、背中、肩、腕の種目から3〜4つ選択)
- 2日目:休息
- 3日目:下半身の日(脚、腹筋の種目から3〜4つ選択)
- 4日目以降:休息
パターンB:週3回コース(Push/Pull/Leg)
より本格的に、効率よく身体を鍛えたい中級者向けの分割法です。
- 1日目:Pushの日(押す動作:胸、肩、腕のキックバックなど)
- 2日目:Pullの日(引く動作:背中、腕のアームカールなど)
- 3日目:Legの日(脚、腹筋)
- 4日目以降:休息(1サイクル終えたら1〜2日休む)
よくある質問(Q&A)
Q1. ダンベルの重さは何キロから始めればいいですか?
まずは「10回ギリギリできる重さ」を目安に選んでみましょう。
もし15回以上できるなら軽すぎ、8回もできないなら重すぎのサインです。
各種目で扱える重量は違うので、いくつか重量のバリエーションがあると理想的です。
Q2. トレーニングは週に何回やればいいですか?
まずは週2〜3回を目標に始めてみましょう。
筋肉は、トレーニングで傷ついた筋繊維が、休息中に栄養を取り込んで修復される過程で成長します(超回復)。
毎日やるよりも、しっかりと休息日を設けることが、成長への近道です。
Q3. 筋肉痛のときは、トレーニングは休むべき?
基本的には、痛みがある部位のトレーニングは休むことをおすすめします。
無理に行うと、フォームが崩れて怪我のリスクが高まります。
ただし、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を行ったり、筋肉痛がない別の部位を鍛えたりするのは効果的です。
Q4. ダンベルだけで痩せますか?
ダンベルトレーニングで筋肉量が増えれば、何もしなくても消費されるカロリー(基礎代謝)が上がり、痩せやすい身体になります。
しかし、ダイエットの最も重要な基本は「食事管理」です。
消費カロリーが摂取カロリーを上回る「アンダーカロリー」の状態を作ることが、体重を減らす上での大原則となります。
まとめ
- 環境が許すならジムが最適、でも自宅でも身体は変えられる
大切なのは、完璧な環境が整うのを待つのではなく、今日から始めることです。 - 自分に合ったダンベルを選び、正しいフォームを学ぶことが最優先
自己流は怪我のもと。まずは安全で効果的なフォームを身につけましょう。 - 全種目の基本は「背中を効かせる」意識
この感覚をマスターすることが、トレーニング効果を飛躍的に高める鍵です。
この記事を参考に、あなたも自宅でのトレーニングをスタートさせてみませんか?
正しい知識と少しの投資で、あなたの身体はきっと、今よりもっと素晴らしいものになります。
もし、負荷が足りなくなって最大重量でも15回以上できるようになってしまった時や、自宅で行うには危険な重量になったなと感じたときはジムを始めるタイミングです。
まずは、さっそく始めてみましょう!
柔道整復師/姿勢改善パーソナルトレーナー
さいたま柔整専門学校卒業。
三郷市内グループ接骨院で院長を歴任。
現在、「姿勢改善Studio きずな日暮里」を運営中。