最近、肩こりや腰痛がひどくなってきた…もしかして姿勢が原因かも?
鏡に映る自分の姿を見て「なんだか姿勢が悪いな」と感じたことはありませんか?
実は悪い姿勢にはいろいろな種類があって、それぞれ原因や対処法が違います。
この記事では、代表的な悪い姿勢のタイプを分かりやすく解説していきますので、自分がどのタイプに当てはまるかチェックしてみてくださいね。

なぜ悪い姿勢になってしまうの?現代人の姿勢事情
デスクワークとスマホが姿勢を悪くする理由
パソコンに向かって長時間作業していると、いつの間にか前かがみになっていませんか?
スマホを見るときも、首を下に向けて画面をのぞき込む姿勢が続きますよね。
実はこれらの姿勢が毎日積み重なることで、筋肉のバランスが崩れて悪い姿勢が定着してしまいます。
悪い姿勢がもたらす体への影響
悪い姿勢は見た目の問題だけではありません。
慢性的な肩こりや腰痛、頭痛、さらには呼吸が浅くなることで疲れやすくなることもあります。
早めに自分の姿勢タイプを知って、適切な対策を始めることが大切ですよ。
代表的な悪い姿勢5つ!あなたはどれに当てはまる?
猫背タイプ:背中が丸まっている

猫背の特徴とセルフチェック方法
背中が丸まって、頭が前に出ている状態が特徴です。
壁に背中をつけて立ったとき、頭の後ろとお尻の両方が壁につかない場合は猫背の可能性が高いですね。
セルフチェックの方法
- 壁に背中をつけて自然に立つ
- 頭の後ろとお尻が両方とも壁につくかチェック
- どちらか、または両方がつかない場合は猫背の可能性
- 腰と壁の間に手のひら1枚分程度の隙間があるのが正常
猫背になりやすい人の特徴
デスクワークが多い方や、スマホを長時間使う方に多く見られます。
背筋の筋力不足や、胸の筋肉が縮こまっていることも原因の一つです。
▶猫背を改善するには筋トレが必須?具体的なトレーニング方法とは
巻き肩タイプ:肩が前に出ている

巻き肩の見分け方
鏡の前で自然に立って、手の甲が前を向いていたら巻き肩の可能性があります。
正常な姿勢では、手のひらが体の横を向いているはずです。
巻き肩のチェックポイント
- 鎖骨が水平ではなく、外側が下がっている
- 胸が狭く見える
- 肩甲骨が外側に開いている
- 横から見て、肩の位置が体の中心線より前にある
巻き肩と猫背の違い
主に、肩関節が内側に巻き込まれているものが巻き肩で、背骨全体が丸まっているものが猫背です。
ただし、巻き肩があると胸部が閉じて猫背になりやすく、さらにストレートネックも併発しやすいです。
ストレートネック(スマホ首):首の自然なカーブがない

ストレートネックの症状
首の骨は本来、緩やかなカーブを描いているのですが、ストレートネックではそのカーブがなくなってしまいます。
横から見ると、耳の位置が肩のラインよりかなり前に出ているのが特徴的です。
典型的な症状:
- 首の後ろが張っている感じ
- 頭痛が頻繁に起こる
- 目の疲れがひどい
- 肩こりが慢性化している
- 巻き肩も同時に起こりやすい
スマホの使い方との関係
スマホを見るときに首を下に向ける姿勢を長時間続けることが主な原因です。
頭の重さは約5キロもあるので、首にかかる負担は相当なものになってしまいます。
反り腰タイプ:腰が反りすぎている

反り腰のチェック方法
仰向けに寝て、腰と床の間に手を入れてみてください。
手のひら2枚分以上の隙間があったら、反り腰の可能性が高いですね。
簡単チェック方法
- 壁に背中をつけて立つ
- 腰と壁の間の隙間をチェック
- 握りこぶしが入るほど隙間があれば反り腰
反り腰になる原因
腹筋の弱さや、ヒールを履く習慣、妊娠・出産後の体型変化などが原因になります。
お腹を前に突き出すような立ち方が癖になっていることもありますね。
骨盤の歪みタイプ:左右や前後のバランスが崩れている

歪んだようにみえるから「歪み」とも表現される骨盤の傾き。
どのように姿勢に影響するか見てみましょう。
骨盤前傾・後傾の違い

骨盤前傾は骨盤が前に傾いている状態で、反り腰になりやすいです。
逆に骨盤後傾は骨盤が後ろに傾いて、猫背になりやすい状態を指します。
タイプ | 特徴 | なりやすい姿勢 |
---|---|---|
骨盤前傾 | お尻が出っ張って見える | 反り腰 |
骨盤後傾 | お尻が垂れて見える | 猫背 |
どちらでもない状態が、正常でいわゆる「骨盤が立っている」という状態です。
骨盤の歪みが引き起こす問題
骨盤の歪みは腰痛だけでなく、下半身のむくみや冷え、生理痛の悪化にもつながります。
左右のバランスが崩れると、片方の脚に負担がかかって膝や股関節の痛みも出やすくなりますね。
▶骨盤の傾き=骨盤の歪み?骨盤の歪みの正体について詳しく解説!
意外と知らない?その他の姿勢タイプ
フラットバック(ストレートバック):「背骨」はまっすぐ

「背骨がまっすぐ」と「身体がまっすぐ」の違い
フラットバックは背骨の自然なカーブが失われた状態ですが、これは「良い姿勢」ではありません。
重要な違い:
- 背骨がまっすぐ = 背骨の自然なS字カーブが失われている状態(フラットバック)
- 身体がまっすぐ = 耳・肩・股関節・膝・くるぶしが一直線に並んでいる状態(理想的な姿勢)
フラットバックの特徴:
- 背骨は一見まっすぐだが、自然なカーブがない
- 骨盤は後傾気味
- 頭が前に出やすい
- 身体のラインは一直線ではない
つまり、背骨が「棒のようにまっすぐ」なのは、むしろ不自然な状態なのです。
理想的な姿勢では、背骨に適度なS字カーブがあり、身体全体のラインがまっすぐに整っています。
スウェイバック:見た目は反り腰、実は猫背

スウェイバックは一見すると反り腰に見えますが、実際は上半身が猫背になっている複雑な姿勢です。
特徴:
- 骨盤は後傾している(猫背の要素)
- でも骨盤全体が前方に押し出されている
- 上半身は後ろに傾いてバランスを取っている
- 結果的にお腹が前に出て反り腰のように見える
つまり:
- 見た目:反り腰のような姿勢
- 実際:猫背+骨盤の前方移動
この姿勢は「隠れ猫背」とも呼ばれ、見た目で判断すると誤った対処をしてしまう可能性があります。
X脚・O脚:脚の歪みからくる姿勢の問題
X脚は膝が内側に入り、O脚は膝が外側に開いている状態です。
脚の歪みは骨盤や背骨の歪みにもつながるので、全身の姿勢に影響してしまいます。
側弯:背骨が左右に曲がっている
背骨が左右にS字やC字に曲がっている状態を指します。
軽度の側弯は自覚症状がないことも多いですが、進行すると呼吸機能に影響することもあるんです。
見分けるためには壁を使う!3ステップで診断
- 壁にかかと、お尻、背中、後頭部をつけようとする意識で、自然に立ちます。
- 腰と壁のすき間に、自分の手をひらいて入れてみてください。
- さあ、すき間はどのくらいでしたか?
結果を見てみよう!
ご自身の状態に一番近いものを選んでみてください。
- 手のひら1枚分がちょうど入る
理想的な姿勢の可能性が高いです。
写真や鏡で横から見たときの姿勢が耳・肩・股関節・膝・くるぶしが揃っているか確認しましょう。
▶良い姿勢とは?骨の軸で支える嬉しい効果と改善方法まとめ - こぶしが握れるほどスカスカ
「反り腰」の可能性があります。 - 手のひらも入らないほどピッタリ
背骨のカーブが少ない「フラットバック」か猫背の可能性があります。 - 後頭部が離れる・上を向かないとつかない
猫背の可能性大。ストレートネックやスウェイバックの可能性もあります。 - 肩がつかない
巻き肩の可能性があります。 - さらに、油断をするとお尻が壁から離れる
これは「スウェイバック」の可能性大です!
複数の悪い姿勢が組み合わさることも!複合型の特徴
よくある組み合わせパターン
実は単独の姿勢問題だけでなく、複数の問題が組み合わさることがとても多いんです。
特に上半身の問題は連動して起こりやすい特徴があります。
よくある組み合わせ:
- 巻き肩+ストレートネック(ほぼセットで起こる)
- 猫背+巻き肩+ストレートネック(上半身の連鎖)
- 反り腰+骨盤前傾+X脚(下半身の連鎖)
- スウェイバック+ストレートネック+巻き肩
複合型の見極め方
一つの姿勢問題があると、連鎖的に他の部分にも影響が出やすくなります。
全身を鏡でチェックして、複数の特徴が当てはまらないか確認することが大切ですね。
まとめ
- 悪い姿勢には様々なタイプがある
猫背、巻き肩、ストレートネック、反り腰、骨盤の歪みなど、それぞれ特徴が異なります。 - 現代の生活習慣が姿勢を悪化させている
デスクワークやスマホの使いすぎが、多くの姿勢問題の原因になっています。 - 複数の姿勢問題が組み合わさることも多い
一つの問題が他の部分に影響して、複合的な姿勢の歪みにつながります。
自分の姿勢タイプを知ることは、健康な体を取り戻す第一歩です。
鏡の前でセルフチェックをして、どのタイプに当てはまるか確認してみてくださいね。
姿勢の問題は放っておくと悪化しやすいので、早めの対策が大切です。
まずは自分の姿勢を意識することから始めて、少しずつ改善していきましょう。

柔道整復師/姿勢改善パーソナルトレーナー
さいたま柔整専門学校卒業。
三郷市内グループ接骨院で院長を歴任。
現在、「姿勢改善Studio きずな日暮里」を運営中。