パソコン作業の後、肩がガチガチで頭痛まで起きていませんか?
マッサージしてもすぐ元通り…それ、肩を上げるクセから始まる「姿勢の連鎖」が原因かもしれません。
実は肩が上がると、猫背・ストレートネック(スマホ首)・巻き肩という3つの悪い姿勢が次々と起こります。
この記事を読めば、なぜ肩こりが治らないのか、どうすれば根本から改善できるのかが分かりますよ。
知らないうちに肩が上がってない?チェックしてみよう
鏡を見てびっくり!左右の肩の高さが違う
鏡で自分の姿を見たとき、片方の肩だけ上がっていてドキッとしたことはありませんか?
これは典型的な「肩上げ」のサインです。
ストレスや緊張で、無意識のうちに肩に力が入ってしまっているんです。
左右の肩の高さが違うということは、体全体のバランスが崩れている証拠。
片側に負担が偏ると、肩こりだけでなく腰痛の原因にもなってしまいます。
デスクワーク中の「力み」に気づいてる?
集中して作業していると、いつの間にか肩がすくんでいることってありますよね。
特に締め切りに追われているときは、肩にギュッと力が入りがちです。
この「力み」をチェックする簡単な方法:
- 今、肩の力を抜いてみてください
- 肩がストンと下がりましたか?
- 下がったなら、それまで肩を上げていた証拠です
定期的にチェックすることで、肩上げのクセに気づけるようになりますよ。
肩が上がると連鎖する3つの悪い姿勢
肩上げ→猫背になるメカニズム
重力に逆らって肩を持ち上げ続けると…
肩を上げた状態をキープするのは、想像以上に大変なことです。
重力に逆らって肩を持ち上げ続けるには、首や肩の筋肉を常に緊張させなければなりません。
でも、そんな状態を何時間も続けるのは無理ですよね。
そこで体は楽になろうとして、自然と前かがみになります。
肩を上げている分、体を前に倒してバランスを取ろうとするんです。
これが猫背の始まりなんです。
体が前に丸まってバランスを取ろうとする
猫背になると重心が前に移動します。
すると今度は、倒れないようにさらに背中を丸めることに。
この悪循環で、どんどん姿勢が悪化していきます。
一度この姿勢が癖になると、正しい姿勢に戻すのが難しくなります。
筋肉が固まってしまい、背筋を伸ばそうとしても痛みを感じるようになってしまうからです。
▶猫背を改善するには筋トレが必須!筋トレが必要な理由と具体的なトレーニング方法を解説!
肩上げ→ストレートネックの関係
アゴが前に突き出る理由
肩が上がって体が前かがみになると、視線を保つためにアゴを前に突き出すようになります。
パソコンの画面を見るために、首だけを前に伸ばしている状態です。
これがストレートネックの典型的な姿勢なんです。
この姿勢の問題点:
- 首の後ろ側の筋肉が常に緊張状態
- 頭の重さが首に集中してかかる
- 血流が悪くなり、頭痛の原因にも
首への負担は、肩こりをさらに悪化させる大きな要因になります。
首の自然なカーブが失われていく過程
本来、首の骨は緩やかなカーブを描いています。
このカーブが頭の重さを分散させる天然のクッションになっているんです。
でも、アゴを前に突き出した姿勢を続けると:
- 徐々に首のカーブが失われていく
- まっすぐになった首(ストレートネック)は衝撃を吸収できない
- 頭の重さがダイレクトに肩に伝わる
その結果、肩への負担が増えて、肩こりがさらにひどくなってしまいます。
▶スマホ首・ストレートネックの原因は“使えていない筋肉”?根本から改善する方法とは
肩上げ→巻き肩への流れ
上がった肩で作業を続けると?
肩が上がった状態でキーボードを打ったり、スマホを操作したりしていませんか?
この姿勢で腕を使い続けると、肩が内側に巻き込まれていきます。
腕を前に出して作業するとき、肩が上がっていると自然と内側に入ってしまうんです。
巻き肩になりやすい動作:
- パソコンのマウス操作
- スマホの長時間使用
- 料理や掃除などの家事
これらの動作を肩が上がった状態で行うと、巻き肩が加速します。
肩が内側に巻き込まれて固まる
巻き肩になると、胸の筋肉が縮んで固くなります。
反対に、背中の筋肉は引き伸ばされた状態で固まってしまいます。
この状態が続くと:
- 肩を後ろに引こうとしても動かない
- 深呼吸がしづらくなる
- 胸郭が狭くなり、酸素不足になりやすい
筋肉のバランスが崩れて、正しい姿勢を取ることができなくなってしまうんです。
なんで肩を上げただけでこんなにこるの?
肩の筋肉が24時間働きっぱなし状態
重力に逆らい続ける筋肉の悲鳴
肩を上げた状態を維持するということは、重力に逆らい続けるということ。
試しに、腕を肩の高さまで上げて1分間キープしてみてください。
すぐに腕が重くなって、下ろしたくなりますよね?
肩を上げているときも、同じことが起きています。
僧帽筋という肩の筋肉が、ずっと収縮したままになっているんです。
これは筋肉にとって、とても過酷な状態なんです。
リラックスできない「緊張しっぱなし」の恐怖
通常、筋肉は「緊張」と「弛緩」を繰り返すことで血流を保っています。
でも、肩が上がりっぱなしだと筋肉は緊張したまま。
血流が悪くなり、疲労物質がどんどん溜まっていきます。
緊張が続くと起こること:
- 乳酸などの疲労物質が蓄積
- 酸素不足で筋肉が硬くなる
- 痛みを感じる神経が過敏になる
この状態が、あの嫌な肩こりの痛みや重だるさの正体なんです。
頭の重さ(5〜6kg)を不自然に支える負担
ボウリング球を斜めに持ち続けるようなもの
人間の頭の重さは約5〜6kg、ボウリングの球と同じくらいです。
正しい姿勢なら、この重さは背骨全体で支えられます。
でも、姿勢が崩れると首と肩の筋肉だけで支えることになってしまいます。
ボウリングの球を腕を伸ばして斜めに持ち続けることを想像してみてください。
5分も持っていられませんよね?
でも、悪い姿勢だと首と肩はこれを一日中やっているんです。
首と肩にかかる負担は通常の3倍以上
頭の位置と負担の関係
- 頭が2.5cm前に出る→首への負担は約2倍
- 頭が5cm前に出る→首への負担は約3倍以上
- 頭が7.5cm前に出る→首への負担は約4倍
この負担を一日中、肩と首の筋肉だけで支えているとしたら?
肩がこって当然ですよね。
一度固まると元に戻せない「負のスパイラル」
疲れても姿勢を修正できない理由
肩こりがひどくなると、正しい姿勢を取ろうとしても痛みを感じるようになります。
筋肉が固まってしまい、動かすこと自体が苦痛になってしまうんです。
すると、楽な姿勢(悪い姿勢)を取り続けることになります。
この負のスパイラルから抜け出せない理由
- 痛みで正しい姿勢が取れない
- 悪い姿勢で過ごすことでさらに悪化
- 筋肉の柔軟性がどんどん失われる
早めに対処しないと、改善がどんどん難しくなってしまいます。
どんどん悪化していく肩こりの仕組み
肩こりの悪化サイクル
- 肩が上がる(ストレス・緊張)
- 猫背・ストレートネック・巻き肩になる
- 筋肉が固まって血流が悪くなる
- 痛みで姿勢がさらに悪くなる
- 1に戻る
この悪循環から抜け出すには、早めの気づきと対処が必要です。
まだ筋肉が柔らかいうちなら、改善も早いですから。
こって当然だと思わない?じゃあどうする?
まずは今の自分の姿勢を知ることから
肩こりを改善するには、まず自分の姿勢を客観的に見ることが大切です。
鏡の前に立って、横から見た自分の姿勢をチェックしてみましょう。
チェックポイント
- 耳の穴と肩の中心が一直線上にあるか
- 肩の高さが左右で同じか
- 背中が丸まっていないか
- 肩が前に巻き込まれていないか
一つでも当てはまらない項目があったら、姿勢改善のサインです。
正しい姿勢って実はこんなに楽なんだ
正しい姿勢というと「背筋をピンと伸ばして…」と力が入りがちですが、実は違います。
本当に正しい姿勢は、どこにも力が入らない楽な姿勢なんです。
正しい姿勢のポイント
- 肩の力を抜いて、自然に下ろす
- アゴを軽く引いて、頭を背骨の真上に置く
- 胸を軽く開いて、呼吸を深くする
- 足の裏全体で体重を支える
この姿勢を体が覚えると、肩こりは自然と改善していきます。
まとめ
- 肩上げが引き起こす3つの悪い姿勢の連鎖
肩上げ→猫背→ストレートネック→巻き肩という負の連鎖が肩こりを悪化させています。 - 筋肉の過緊張と頭の重さが肩こりの直接原因
24時間働きっぱなしの筋肉と、5〜6kgの頭を不自然に支える負担が痛みを生みます。 - 早めの気づきと正しい姿勢の習慣化が改善のカギ
負のスパイラルに陥る前に、楽で自然な姿勢を身につけることが大切です。
肩こりは「仕方ない」ものではありません。
原因を理解して、正しい対処をすれば必ず改善できるものなんです。
今日から少しずつ、肩の力を抜くことを意識してみませんか?
きっと体が軽くなって、毎日がもっと快適になるはずです。

柔道整復師/姿勢改善パーソナルトレーナー
さいたま柔整専門学校卒業。
三郷市内グループ接骨院で院長を歴任。
現在、「姿勢改善Studio きずな日暮里」を運営中。