反り腰だと思ってストレッチしているのに、ぽっこりお腹も腰痛も全然良くならない…。
そんな経験がある方は、もしかすると姿勢のタイプを勘違いしているかもしれません。
実は、反り腰とそっくりに見える「スウェイバック」という姿勢があるんです。
この記事を読めば、ご自身の本当の姿勢タイプと、正しい改善方法が分かりますよ。
あなたの姿勢はどのタイプ?まずは簡単セルフチェック!
「もしかして私も?」と思ったら、まずは壁を使って今の姿勢をチェックしてみましょう。
やり方はとっても簡単!3ステップで診断
- 壁にかかと、お尻、背中、後頭部をつけようとする意識で、自然に立ちます。
- 腰と壁のすき間に、自分の手をひらいて入れてみてください。
- さあ、すき間はどのくらいでしたか?
結果を見てみよう!
ご自身の状態に一番近いものを選んでみてください。
- 手のひら1枚分がちょうど入る
理想的な姿勢の可能性が高いです。
写真や鏡で横から見たときの姿勢が耳・肩・股関節・膝・くるぶしが揃っているか確認しましょう。 - こぶしが握れるほどスカスカ
「反り腰」の可能性があります。 - 手のひらも入らないほどピッタリ
背骨のカーブが少ない「フラットバック」か猫背の可能性があります。 - 後頭部が離れる
猫背の可能性大。ストレートネックやスウェイバックの可能性もあります。 - さらに、油断をするとお尻が壁から離れる
これは「スウェイバック」の可能性大です!
このチェックで、ご自身の姿勢の傾向が見えてきますね。
「反り腰」と「スウェイバック」2つの姿勢の違いとは?
チェックしてみて「あれ?」と思った方も多いのではないでしょうか。
良い姿勢を意識すると反り腰になって、普通に立つとスウェイバックになりやすい人が多いはずです。
見た目の違いを比較!
二つの姿勢には、こんな違いがあります。
反り腰
骨盤が前に倒れて(前傾)、お尻が突き出て見え、腰がグッと反っている姿勢です。

スウェイバック
骨盤が前にスライドして、お腹がぽっこり前に出て見え、バランスを取るために背中が丸まっている姿勢です。

一番の違いは「骨盤」の位置!
言葉だけだと少し難しいかもしれませんが、一番の違いは骨盤の状態です。
ポイント | 反り腰 | スウェイバック |
---|---|---|
骨盤の状態 | 前に倒れている(前傾) | 前にズレている(前方スライド) |
腰の骨(腰椎) | 反りが強い | 反りは強くない(むしろ平坦なことも) |
背中(胸椎) | まっすぐなことが多い | 丸まりやすい(猫背) |
この「骨盤が前にズレている」というのが、スウェイバックの最も重要なポイントですよ。
なぜスウェイバックになっちゃうの?日常生活に潜む3つの原因
「どうしてこんな姿勢になっちゃったんだろう…」。
実は、普段の何気ないクセが原因かもしれません。
原因1:スマホの長時間利用による「ストレートネック」
ついつい夢中になって見てしまうスマホ。
でも、その時の姿勢、頭が前に出ていませんか?
前に出た重い頭を支えようとして、無意識に骨盤を前にスライドさせてバランスを取ってしまうんです。
原因2:無意識の「楽な立ち方」
洗い物をしている時、お腹を前に突き出して寄りかかっていませんか?
これはインナーマッスルを使わない楽な姿勢ですが、スウェイバックを招く代表的なクセなんです。
このクセでつま先重心になれてしまうと、前に傾いた姿勢になりやすく骨盤が前にスライドします。
原因3:インナーマッスルの衰え
特にお腹周りのインナーマッスル(体を内側から支える筋肉)が弱いと、骨盤を正しい位置で支えきれなくなってしまいます。
その結果、骨盤が前にズレてしまいスウェイバック姿勢になってしまいます。
今日からできる!スウェイバック姿勢改善3ステップ
原因がわかったら、さっそく改善していきましょう!
難しいことは一切なし!
お家で簡単にできる方法を3つのステップでご紹介します。
ステップ1:まずは固まった筋肉を「ゆるめる」ストレッチ
スウェイバックの方は、太ももの前や胸の筋肉がガチガチに固まっていることが多いです。
まずはここをしっかりゆるめて、正しい姿勢を取りやすい状態にしましょう。
太ももの前側(大腿四頭筋)のストレッチ
- 体の右側を下にして、横向きに寝ます。
- 左足の甲を手で持ち、かかとをお尻にゆっくりと近づけます。
- 太ももの前側が心地よく伸びるのを感じながら、20~30秒キープします。
- 反対側も同様に行いましょう。
胸の筋肉(大胸筋)のストレッチ
- 壁の横に立ち、右ひじを90度に曲げて、手のひらと腕を壁につけます。
- 右足を一歩前に踏み出し、体をゆっくりと左に開いていきます。
- 胸の筋肉が伸びるのを感じながら、20~30秒キープします。
- 反対側も同様に行いましょう。
ステップ2:弱った筋肉を「鍛える」簡単トレーニング
筋肉をゆるめたら、次は弱っている筋肉をしっかり使えるように鍛えていきましょう。
特に「お腹」と「お尻」の筋肉を呼び覚ますことが重要です。
お腹のインナーマッスルを意識!「ドローイン」
- 仰向けに寝て、膝を90度に立てます。
- ゆっくりと息を吐きながら、おへそを背骨に近づけるイメージでお腹をへこませます。
- 腰で床を軽く押すような意識を持つと、より効果的です。
- お腹をへこませたまま浅い呼吸を続け、10~30秒キープします。
お尻の筋肉を呼び覚ます!「ヒップリフト」
- 仰向けに寝て、膝を90度に立てます。足は腰幅に開きましょう。
- 息を吐きながら、お尻の筋肉を意識して、ゆっくりと持ち上げます。
- 肩から膝までが一直線になったところで、3秒キープします。
- ゆっくりと元の位置に戻します。これを10回繰り返しましょう。
前に寄りかかるクセは「かかと重心」
- 段差のある場所で、前側半分を浮かせて立つ。
- 足全体が地面と水平になるよう意識する。
- 手や体全体でバランスをとるのではなく、足首の動きに意識を向ける。
- 1分~3分間、バランスを維持できるように練習しましょう。
ステップ3:普段の「意識」を変える
ストレッチやトレーニングと同じくらい大切なのが、日常の意識です。
正しい姿勢を体に覚えさせていきましょう。
座り方
- 椅子に深く腰かけ、骨盤を立てることを意識します。
- 坐骨(お尻の下にある硬い骨)に均等に体重が乗るように座りましょう。
立ち方
- 足裏全体で地面をとらえるように意識します。
- 頭のてっぺんから糸で、真上に軽く引っ張られているようなイメージを持ちましょう。
まとめ
- スウェイバックは反り腰とは全く違う姿勢
骨盤が前にスライドし背中が丸まるのが特徴で、腰が反る「反り腰」とは原因も対処法も異なります。 - 原因は日常のクセにある
スマホの使いすぎによる頭の前方突出や、無意識の楽な立ち方、インナーマッスルの衰えが関係しています。 - 改善は3ステップが基本
固まった筋肉を「ゆるめる」、弱った筋肉を「鍛える」、日常の「意識を変える」の3つを組み合わせることが大切です。
「自分は反り腰だ」と思い込んでいた方も、本当の原因が見えてきたのではないでしょうか。
正しい知識を持つことが、姿勢改善への一番の近道になりますよ。
無理のない範囲で、まずは一つのストレッチからでも始めてみてください。
日々の少しの意識と実践が、未来の体を変えるきっかけになります。
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柔道整復師/姿勢改善パーソナルトレーナー
さいたま柔整専門学校卒業。
三郷市内グループ接骨院で院長を歴任。
現在、「姿勢改善Studio きずな日暮里」を運営中。