デスクワークの腰痛は身体の使い方が原因?改善3ステップ

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「座りっぱなしで腰が痛い」。

そのお悩みは、毎日デスクワークに励む方々にとって切実なものではないでしょうか。

マッサージやストレッチを試しても、一時的に楽になるだけで、すぐに痛みが戻ってしまう。
そんな経験、多くの方にあるかもしれません。

実はその腰痛、椅子やクッションのせいだけではないのです。

あなたの「身体の使い方」に根本的な原因が隠れている可能性があります。

長年の腰痛から卒業し、毎日を快適に過ごすための解決策を見つけていきましょう。

その腰痛、椅子やクッションのせいにしていませんか?デスクワーカーが陥る腰痛

長時間のデスクワークは、私たちの体に想像以上の負担をかけています。

特に、お尻の筋肉が“記憶喪失”のようにうまく使えなくなっているパターンは、臨床現場で最も多く見られる共通点の一つです。

多くのデスクワーカーの方々は、知らず知らずのうちに骨盤が後傾し、猫背の姿勢で長時間過ごしてしまっていることがあります。

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デスクワーカーが抱える体の負担

日本は世界的に見ても「座りっぱなし大国」と言われており、1日の平均座位時間は約7時間にも及ぶとされています。

その時間の間、ずっと猫背の姿勢のままだったら、腰への負担は相当なものになるでしょう。

さらに、この長時間の座位行動は、腰痛だけでなく、肥満や糖尿病といった様々な健康リスクを高める可能性が指摘されているのです。

デスクワーク腰痛の「本当の原因」は身体の使い方にあった?

デスクワークによる腰痛の多くは、骨盤が後ろに倒れてしまう「骨盤後傾」から始まる連鎖的な問題に起因します。

骨盤後傾の猫背姿勢は、つい楽な姿勢だと感じて無意識にしてしまいがちですが、実は腰に大きな負担をかけてしまうのです。

この姿勢が癖になることで、本来使うべき筋肉(サボり筋)が働かなくなり、その代わりに他の筋肉(使いすぎ筋)が過剰に働くという悪循環が生まれてしまいます。

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なぜ「身体の使い方」が重要なのか

ご自身の身体の使い方を見つめ直すことが、慢性的な腰痛を根本から改善するための第一歩になります。

良い姿勢への道のりは、多くの方がすでに身についている猫背の姿勢から、段階的に修正していくことが大切です。

まずは少し反り腰気味の姿勢を意識し、そこから最終的に体に負担の少ない良い姿勢へと進んでいきましょう。

骨盤後傾が引き起こす連鎖反応:サボり筋と使いすぎ筋の悪循環

臨床現場では、「座り姿勢で腰痛になる方のほとんどが骨盤を後傾にして座り、猫背で過ごしてしまっている」という現状があります。

骨盤が後傾しやすいせいで、本来体幹を安定させるべき腹部の筋肉(腹横筋)がうまく使えず、腹圧も抜けてしまい、腰の筋肉に依存して身体を支える状態になっています。

このような体の使い方の癖が、腰を中心に負担をかけ、慢性的な腰痛へと繋がっていくのです。

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エビデンスが示す姿勢と腰痛の関係

体幹を安定させるエクササイズは、長時間座り続ける方々の腰痛を軽減させる可能性も示唆されています。

また、姿勢を正す介入は、首や体幹の姿勢だけでなく、筋骨格系の症状を著しく改善させることが報告されています。

「やりやすい姿勢」が必ずしも「楽な姿勢」とは限らず、本当の良い姿勢を練習することで、その姿勢が最も楽に感じられるようになることもあるのです。

お尻の筋肉が記憶喪失?「サボり筋」の正体

デスクワーカーの方々の腰痛において、特に注目すべきなのが「サボり筋」の存在です。

特に、お尻の筋肉(臀部)や、お腹の深い部分にある腹横筋が「記憶喪失」のようになっている状態が、臨床現場で非常によく見られます。

これらの筋肉がうまく機能しないと、代わりに腰方形筋や脊柱起立筋といった腰周りの筋肉が過剰に働き、腰痛を引き起こしてしまうのです。

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マッサージをしても症状が繰り返されるのも「サボり筋」のせい?

多くの方が「マッサージに行ってもすぐに腰痛が戻ってしまう」と感じるのは、根本的な身体の使い方が変わっておらず、サボり筋と使いすぎ筋のバランスが改善されていないためかもしれません。

長時間の座りっぱなしは、血流の滞りや筋肉の硬化を招きます。

そして、猫背や巻き肩、そして骨盤の後傾といった姿勢不良を引き起こします。

これらが腰に大きな負担をかけ、疲労を蓄積させてしまうのです。

まずは、お尻に力が入る感覚を思い出させてあげることから、改善のプログラムを始めていくことが大切になります。

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ステップ1:【リセット編】オフィスで座ったまま!骨盤を「グッと突き刺す」感覚で立て直す

正しい骨盤の位置を意識する重要性

まずは、凝り固まった腰回りをリセットし、骨盤を正しい位置で座れるようにするところからはじめましょう。

オフィスで椅子に座ったまま、手軽に実践できるストレッチです。

座ったまま骨盤を立てるストレッチ

  1. 椅子に座り、足を床にしっかりとつけます。
  2. 両手で座面を軽く支えながら、ゆっくりと骨盤を前後に傾けます。(動かすだけでストレッチになります)
  3. 骨盤を前に傾けたまま、座り直し、坐骨が椅子の座面に「グッと突き刺さる」ような感を意識します。
  4. この姿勢で数秒間保持し、深呼吸を繰り返します。(吸うより吐く時間を長くしましょう)
  5. この動作を5~10回繰り返しましょう。

感覚を掴むためのポイント

坐骨で椅子の座面をグッと突き刺すような感覚で座ってみてください。

お客様にダンベルを持っていつもの姿勢と持ち比べていただくと、ダンベルが軽く感じるとびっくりされることが多いです。

このストレッチを習慣にすることで、座りっぱなしで凝り固まった腰回りがリセットされ、正しい骨盤の位置を意識しやすくなるでしょう。

短時間の運動が腰痛改善に繋がりうるという研究結果も背景にあります。

ステップ2:【覚醒編】昼休みにできる!「お尻の筋肉を目覚めさせる」スクワット

お尻の筋肉を覚醒させる目的

次に、長時間の座位で「記憶喪失」になっているお尻の筋肉を目覚めさせていきましょう。

昼休みなどの休憩時間に、少しだけ時間を取って実践できる簡単なスクワットです。

まずは、お尻に力が入る感覚を思い出させてあげることから始めます。

スクワット実践のコツと方法

多くの人が膝ばかり意識しがちですが、大切なのはお尻を後ろに引く感覚を掴むことです。

お尻を目覚めさせる具体的なスクワット方法は以下の通りです。

  1. 足を肩幅に開き、つま先を少し外側に向けます。
  2. 壁に背を向けて、お尻で壁をタッチします。
  3. 膝は伸ばしたままでなく、膝を軽く曲げましょう。
  4. タッチができたら少し前に進み、繰り返します。
  5. これ以上、前にでたらタッチできないというポイントで10回×2~3セットを目安に行いましょう。

このスクワットを実践することで、普段使われにくいお尻の筋肉が効果的に活性化され、腰への負担が軽減されることが期待できます。

※腰をそらしすぎて悪化させないように注意してください。

ステップ3:【習慣編】業務中に意識!「おへその下に固い芯」を意識する呼吸法

腹圧キープ呼吸法の重要性

最後に、日常生活、特に業務中に常に意識してほしいのが「腹圧をキープする呼吸法」です。

これが、正しい姿勢を維持し、腰痛を予防するための鍵となります。

この呼吸法は、体幹の安定化に繋がり、慢性的な腰痛の軽減に役立つことが示されています。

呼吸法実践のイメージと方法

おへその下に固い芯が一本通るようなイメージで呼吸をしてみてください。

最初は意識が難しいかもしれませんが、継続することで無意識にできるようになります。

腹圧を意識した具体的な呼吸法は以下の通りです

  1. 椅子に座ったまま、軽く背筋を伸ばし、肩の力を抜きます。
  2. おへその下(丹田)に意識を集中し、そこから息を吸い込むようなイメージでお腹を膨らませます。
  3. 息を吐くときは、お腹をへこませながら、おへその下が固くなるような感覚を意識します。
  4. この時、胸郭は大きく動かさず、お腹の動きに集中しましょう。
  5. 業務の合間に、1日数回、5分程度を目安に行ってみてください。

この呼吸法を習慣にすることで、業務中でも常に正しい腹圧を意識できるようになります。
腰への負担を軽減し、腰痛予防に繋がるでしょう。

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続けるから変わる!改善した方の声

実際に私の指導で腰痛が改善されたクライアントさんに、実際に言われたことです。

「長年諦めていた腰痛が改善し、仕事中の集中力が格段に上がった」

「週末の趣味(ゴルフ)を心から楽しめるようになった(帰宅中、車での腰痛で悩んでいました)」

「 痛みが出ることはあっても自分で痛みをコントロールできるようになった」

クセを改善する機能的な運動プログラムは、慢性の腰痛における痛みの強度や機能的障害の改善に非常に有効であることが示されていると思います。

※効果には個人差があります。

正直、身体動かすのはめんどくさいかもと思っていませんか?

その気持ちよくわかります。

私も正直、整体で揉んでるだけのほうが楽です。

身体の感覚を言語化して教えるのってかなり難しいんです。

しかし、どうしてもそれだけだと良くならない人もいます。

特に、長期間同じ症状を繰り返している人は、どんなに仮説を立てて施術しても戻ります。

けど、それもそのはずです。

「いま痛い原因」がよくなったも、「元に戻る原因」が変わっていないからです。

もし、痛み初めて1年以上経過しているなら、クセを改善するための運動をはじめてみてもいいのではないでしょうか?

ただの運動ではないですよ。

まとめ

  • 長時間のデスクワークによる腰痛の根本的な原因は、「身体の使い方」にありました。 骨盤の後傾や「サボり筋」の存在が、腰への負担を大きくしていたのです。
  • 柔道整復師が教える3ステッププログラムで、本質的な改善を目指せます。
    「リセット編」「覚醒編」「習慣編」のステップを毎日コツコツ続けることが大切です。
  • 「良い姿勢」を習慣化することで、腰痛に悩まされない快適な毎日が手に入ります。
    諦めずに継続することで、必ず身体は変化します。

長年の腰痛に悩まされてきた方も、ご自身のクセを把握し、クセを改善することで、必ずや変化を実感していただけるでしょう。

あなたの腰痛は「卒業」できるものなのです。

もし途中でつまづいたり、不安な点が出てきたりした場合は、いつでもお気軽にご相談ください。