腹筋を鍛えたいと思っても、どう鍛えればいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は「腹筋」とひとことで言っても、いくつかの筋肉が関係しており、目的によって鍛え方がまったく変わってきます。
今回は、腹筋を4つの筋肉に分けてわかりやすく解説しながら、「割りたい」「くびれたい」「腰痛を改善したい」などの目的別におすすめの鍛え方をご紹介します。
腹筋を正しく鍛えることで、見た目だけでなく、姿勢や呼吸、体幹の安定性にも良い影響があります。
知っているようで知らない「腹筋の基本」を、今日からしっかり理解していきましょう。
実は腹筋は4つの筋肉に分かれている!?

腹筋はひとつの筋肉ではなく、4つの筋肉が重なり合って体の前面と側面を構成しています。
それぞれ役割が異なるため、目的に合わせたアプローチが大切です。
腹直筋:いわゆる「シックスパック」
お腹の前面を縦に走る筋肉で、腹筋の中でもっとも見た目に影響を与える筋肉です。
- 上体起こしやクランチなどで使われます。
- 体幹の前屈(体を前に倒す動き)に関与。
腹直筋を鍛えることで、お腹が割れて見える「シックスパック」に近づくことができます。
腹斜筋:くびれや体のひねりに関わる筋肉
体の側面にある筋肉で、外腹斜筋と内腹斜筋に分かれています。
- 体をひねる・横に倒す動きで使われます。
- くびれを作る・ウエストを引き締めたいときに重要。
腹直筋だけでなく、腹斜筋を鍛えるとウエストラインに立体感が出やすくなります。
腹横筋:インナーマッスルで体幹を支える

腹筋群の中でも最も内側にある筋肉で、天然のコルセットとも言われています。
- お腹を締める・腹圧を高める働きを持ちます。
- 姿勢維持や腰痛予防、深層筋の安定に関与。
鍛えても目立ちにくい筋肉ですが、体幹の安定には欠かせません。
目的別!鍛えるべき腹筋とトレーニングの選び方
腹筋は目的によって、どの筋肉を優先的に鍛えるべきかが変わってきます。
自分の目標に合わせたアプローチが効果を高めるポイントです。
お腹を割りたいなら?腹直筋メインの鍛え方
見た目を変えたい方は、腹直筋のボリュームアップと脂肪の減少がセットになります。
クランチ
① やり方
- 仰向けに寝て、膝を90度に曲げる
- 手は頭の後ろか胸の前で組む
- 息を吐きながら、肩甲骨が浮く程度に上体を丸める
- ゆっくり戻して繰り返す
② ポイント
- 腰は常に床につけたまま
- 首だけで引き上げないよう注意
- 「おへそを見る」意識で腹直筋を縮める。肋骨と恥骨を近づけるイメージが大切。
レッグレイズ
① やり方
- 仰向けに寝て、脚をそろえてまっすぐ伸ばす
- 両手は体の横か、お尻の下に敷いてサポート
- 息を吐きながら、脚を床から垂直近くまで上げる
- ゆっくりと床スレスレまで下ろす(床につけない)
② ポイント
- 腰が反らないよう、お腹に力を入れて行う
- 勢いで振り上げない
- 難しい場合は膝を曲げて実施
アブローラー(腹筋ローラー)
① やり方(膝つきver.)
- 膝をついた状態でローラーを持つ
- 骨盤を後ろに倒し、縦長のアーチをつくってから前へ転がす
- 腹筋が耐えられなくなる直前で止め、元の姿勢に戻る
- 息を吐きながら戻る
② ポイント
- 腰を反らさず、背中とお腹でコントロール
- 初心者は浅めの可動域からスタート
- 腕や背中ではなく、お腹で戻す感覚を意識
- 手を目線より手前にしない(バランスを崩すと顔から倒れるリスクあり)
くびれを作りたい方は?腹斜筋がカギ
くびれは脂肪だけでなく、筋肉のバランスでも変わります。
腹斜筋を意識したトレーニングでウエストを引き締めましょう。
バイシクルクランチ
① やり方
- 仰向けに寝て、両手を頭の後ろに添える
- 両足を浮かせて、膝を90度に曲げる
- 右ひじと左ひざを近づけながら、反対側の脚をまっすぐ伸ばす
- 交互に左右を入れ替えて繰り返す
② ポイント
- 脚の入れ替えは勢いではなく、コントロール重視
- 膝とひじを無理にくっつけようとせず、脇腹をねじる意識で
- 顎を引いて首を反らさないように注意
ロシアンツイスト
① やり方
- 床に座り、膝を立てて足を浮かせる(地面についてもOK)
- 背すじを伸ばして、上体をやや後ろに倒す
- 両手を胸の前で組むか、ダンベルやボールを持つ
- 息を吐きながら、左右交互に体をねじる
② ポイント
- 背中を丸めず、胸を張ったまま動かす
- ひじを大きく振るより、胴体全体を回すよう意識
- 体をねじるときに息を吐くと腹斜筋がより使われる
サイドクランチ
① やり方
- 横向きに寝て、下の手をまくら代わりにする
- 上の手を頭の後ろに添え、上体と脚を同時に近づける
- 上側の脇腹を縮めるように体を丸めていく
- ゆっくり戻して繰り返す(左右両方行う)
② ポイント
- 上体だけを起こすのではなく、脚も引き寄せると効きやすい
- 脇腹がギュッと縮む感覚を意識する
- 反動を使わず、ゆっくりコントロールして動かす
腰痛改善や姿勢改善には?腹横筋を意識しよう
腹横筋はインナーマッスルなので、大きく動くトレーニングでは鍛えづらいです。
日常的な呼吸や姿勢づくりに意識を向けることで効果が出やすくなります。
ドローイン
① やり方
- 仰向けになり、膝を立ててリラックスする
- 鼻から息を吸い、お腹をふくらませる
- ゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませる
- お腹をへこませた状態で浅く呼吸を続け、10秒キープ
② ポイント
- 腰と床の隙間を埋めるように意識
- 肩や首は力まず、腹筋の内側だけを締める感覚を大切に
ブレーシング
① やり方
- 姿勢を正して立つ、または座る
- 鼻から息を吸い、お腹をふくらませて腹圧を高める
- そのまま息を止める or 浅く呼吸をしながら腹圧を維持する
- 動作中(トレーニング中)に腹圧を抜かないよう注意
② ポイント
- 息を吐くのではなく、「腹圧をためたまま動く」ことが目的
- 反り腰にならないよう、骨盤を中間位でキープ
▶ドローインとブレーシングはどう違う?腹筋の使い分けで姿勢も変わる!
プランク
① やり方
- うつ伏せになり、肘とつま先を床につける
- 肘は肩の真下、つま先は自然に開く
- 体を一直線に保ち、腰が落ちたり反ったりしないようキープ
- 10〜30秒を目安に静止(慣れたら60秒へ)
② ポイント
- 顎を引いて、首から足まで一直線の姿勢を意識
- 腹筋・お尻・太ももをすべて軽く締める感覚で支える
- 呼吸を止めず、自然に続けることが大切
正しい腹筋トレーニングのコツと注意点
効果的な腹筋トレーニングには、正しいフォームと継続が欠かせません。
腰が痛くなるのはNGフォームかも?
腹筋運動で腰が痛くなる原因の多くは、フォームの崩れや過剰な反りです。
- 骨盤が前傾しすぎると腰が反りやすい
- 首だけで上体を起こすと、腰と首に負担がかかる
クッションやタオルを腰に入れてサポートするのも有効です。
工夫しても腰が痛くなる場合は、日常生活の動きが腰に頼りすぎている可能性が高いです。
腰の動きの少ない、ドローインやプランクで腰ではなく、お腹で支える感覚を身につけましょう。
回数・頻度はどのくらいがベスト?
回数をこなすより「効かせる意識」が大切です。
- 初心者は週2~3回、1セット10~15回からスタート
- 中上級者は20回前後×2~3セットでもOK
- インナーマッスル系は毎日でも問題ありません
疲労が残らない範囲で継続することが成果への近道です。
▶筋トレが効かない?感覚がわからない原因と「効かせるコツ」完全解説
効かせるための呼吸や姿勢のポイント
腹筋は姿勢と呼吸で効き方が大きく変わります。
- 息を吐くときにお腹を締めて縮める
- 背中や首に力を入れず、お腹に意識を集中
- 床と背中が均等につくようにセットする
見た目より「感覚」を大切にしてトレーニングすることが大切です。
まとめ
- 腹筋は腹直筋・腹斜筋・腹横筋など複数の筋肉から構成され、それぞれに役割があります。
それぞれの筋肉が異なる動きに関与するため、どこを意識するかでトレーニングの質が変わります。 - 見た目や体調の改善など、目的に応じて鍛えるべき筋肉と種目は変わってきます。
「割りたい」「くびれたい」「腰痛を改善したい」などの目的に応じた筋肉選びが成果につながります。 - 正しいフォームと呼吸を意識し、安全に継続することが効果を引き出すポイントです。
腰や首に負担がかからないように工夫することで、無理なく習慣にしやすくなります。
いきなり完璧を目指さなくても大丈夫です。
「今の自分に合った方法」で、少しずつ腹筋と向き合っていきましょう。
今日から一歩ずつ、理想の体と快適な毎日に近づいていけますように。
応援しています。