「ただ伸ばすだけで本当に姿勢が変わるのかな?」と疑問を感じることはありませんか?
確かにただ伸ばすだけでは良い姿勢を作ることはできません。
そこでおすすめなのがキャット&カウ。
背骨の柔軟性を高めるだけでなく、正しい身体の使い方を練習できる種目です。
この記事では、キャット&カウの基本動作に加えて「良い姿勢をつくる身体の使い方」についても詳しく解説します。
背骨と体幹(両手両足以外の胴の部分)の筋肉を連動させるコツを身につけて、しなやかな美姿勢をめざしましょう。
キャット&カウとは?
キャット&カウはヨガのマルジャリャーサナ(猫のポーズ)とビターラーサナ(牛のポーズ)を組み合わせたエクササイズです。
四つん這いで呼吸に合わせ、背骨を丸めたり反らせたりしながら、背骨の動きや筋肉の柔軟性をやわらげます。
キャット&カウの主なメリット
- 背骨の可動域が広がり、姿勢の土台が整う
- コア(腹横筋・骨盤底筋)の連動性がアップし、日常動作にも反映しやすくなる
- 肩の軸を崩さず胸が開く感覚を養い、巻き肩・反り腰の予防につながる。
キャット&カウのやり方
まずは、キャット&カウの基本の手順を覚えましょう。
基本の手順
- 床に四つん這いになります。手は肩幅、膝は腰幅に揃えましょう。
- 息をゆっくり吐きながら背中を丸め、顎を軽く引きます。
- 息をゆっくり吸いながら背中を反らせ、目線を優しく斜め上に向けます。
- 呼吸と動きを合わせて、5~10回繰り返しましょう。
呼吸のポイント
- 腹式呼吸を取り入れると、コア(腹横筋・骨盤底筋)への刺激が強まります。
- 吐くときに背中をしっかり丸め、息を吐き切るイメージを持ってください。
- 吸うときに胸を開き、背中を自然に反らせるリズムを意識しましょう。
姿勢改善のための応用編
キャット&カウは単なるストレッチではありません。
良い姿勢をつくるための「背骨の柔軟性」と「体幹の使い方」を同時に磨ける種目です。
カウのポーズを胸と骨盤に分割して意識してみましょう。
カウのポーズ(背中の使い方)
ハト胸のように胸を突き出すように意識しましょう。
突き出すほどに体が反ります。
反れば反るほど脇のあたりに筋肉の疲労が感じられると思います。
カウのポーズ(骨盤の前傾)
骨盤を前傾させてアヒルのお尻のようにお尻を突き出しましょう。
骨盤が前傾するほどにこれも体が反ります。
注意点
体を反らしすぎると腰を痛める場合があります。
無理のない範囲で行い、痛みが出たらすぐに中止してください。
腹筋の使い方(応用編)
- ハト胸をイメージして胸を突き出し、体の反りをキープします。
- 骨盤を前後に動かし、反ったり丸まったりします。
- ハト胸をキープしていることで胸が下がらず、骨盤だけが動きます。
通常、腹筋は胸がおへそに向かうように使われますが、
胸が一切下がらずに骨盤だけを動かすことで骨盤を下から持ち上げるように腹筋が使われます。
この腹筋の使い方が姿勢をつくるとても重要な使い方です。
棒感覚をつくるキャット&カウ
- ハト胸をイメージして胸を突き出し、胸が一切下がらないように骨盤を持ち上げます。
- お腹が緩まないようにしっかり息を吐きながら、再びハト胸やアヒルのお尻をイメージして反らせます。
- 最初の反りよりも反れず、丸まることもできなくなり、体が棒のようになる感覚を感じます。
これが、棒感覚です。
良い姿勢を作る時は、どんな時でもこの棒感覚を感じることが大切です。
慣れたらプランクでも同じように棒感覚を感じましょう。
▶プランクとは?正しい姿勢で体を感じる第一歩
キャット&カウのよくある間違いと対処方法
腰だけが過度に反る
- 誤動作:腰椎だけを大きく反らせてしまい、反り腰や腰痛の原因になります。
- 対処方法:棒感覚を感じたまま反ることで胸椎のストレッチができます。
首や肩に力が入りすぎる
- 誤動作:肩がすくみ、首に無駄な緊張が生まれてしまいます。
- 対処方法:反る時は、上を向きすぎたり肩甲骨を寄せすぎないようにすることで防ぐことができます。
呼吸と動きが同期しない
- 誤動作:勢いに任せて動かし、呼吸が浅くなったり止めてしまったりします。
- 対処方法:息を吐きながら背中を丸めるキャット、息を吸いながら背中を反らせるカウに意識を集中してください。最初は「4秒吐く→4秒吸う」など秒数を数えながらリズムをつかむとスムーズです。
手首や膝に痛みが出る
- 誤動作:マットなどのクッションを使わず、手首や膝を床に直接つけたまま続行してしまうことで起こります。
- 対処方法:ヨガマットやタオルを敷いて衝撃を和らげましょう。手首は肩の真下、膝は腰幅に揃えて配置し、必要であればクッションを二重にしても構いません。
前後のズレで肩と股関節の軸がずれる
- 誤動作:胸部や骨盤が前後に傾きすぎることで、手をついた肩と膝をついた股関節のラインが前後でずれてしまうと、十分に背骨を動かせません。
- 対処方法:
- 体幹をニュートラルに保ち、肩の真下に手、股関節の真下に膝がくるようポジションを調整しましょう。
- 前後に「揺れる」ではなく「回転する」イメージを持って動かしてください。
- 鏡やスマホの自撮り機能で横からフォームをチェックし、肩と股関節が一直線になる位置を確認しながら行いましょう。
まとめ
- キャット&カウは背骨の柔軟性とコアの連動を同時に鍛えるエクササイズ
- ハト胸で背部を使い、骨盤を下から引き上げる腹筋の使い方がポイント
- 棒感覚を身につければ、どんな動作でも美姿勢をキープしやすくなる
ここまで続けることで、しなやかで安定した背骨の動きを実感できます。
毎日のルーティンに取り入れて、習慣化を目指しましょう。
まずは基本編から1日5回ずつ。
慣れてきたら応用編やプランクにもチャレンジしてみてください。
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